この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~

 将来のことはまだちゃんと考えたことがない。


 でももしできるなら、なにかご飯や食べ物に関わる仕事がしたい…かも。


 お母さんが私にしてくれたように、だれかがご飯を好きになって、そのご飯の時間が楽しくなるような、なにかができたら…。


「大人になったら就きたい職業とかは、まだ全然決まってないんですけど…」


 将来のことなんて今はまだまったくわからない。


 けれど、いつかどこかで、今勉強しているなにかを使う日がくるかもしれない。


「勉強できると、なんかかっこいい気がするからです!」


「お、なんだか美桜らしい回答がでてきたね」


 いおり先輩はにこにこと笑う。


 先輩は出会ったときから物腰柔らかで、少し変だけど、いつもにこやかで優しい。


 そんな先輩が、最近はやたらと私を見て優しく微笑んでくれる。


 そのことに気がついてしまってからは、なんだかくすぐったく感じてしまう。


 いおり先輩の表情から、私が好き、って言われてるみたいな気がして…。


 そんなことを考えては、頬が熱くなる…なんてことをここのところ繰り返している…。


 告白なんてされたら、そりゃだれだって意識しちゃうよ…。

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