この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~

 次に目を覚ましたとき、なんだかやけに頭がスッキリとしていた。


 ぱさぱさになった冷却シートをおでこからはがして、体温を測ると、すっかり平熱に戻っていた。


「熱、下がってる…」


 目を覚ましたのはいつも起きる時間よりも少し早い頃。


 ベッド横のサイドテーブルには、お水の入ったコップが置かれていた。


 ちょうどのどがカラカラだったので、私はそれを一気に飲み干す。


「いおり先輩が置いてくれたのかな…?」


 コップの横には、市販の風邪薬や、ゼリー飲料なんかも置かれていた。


「いおり先輩…」


 看病してくれたらしいいおり先輩に、感謝の念を送る。


 ありがとう、いおり先輩。私、もうすっかり元気です!


 陽の差しこむカーテンを開けようと、布団をめくると、「んん…」とうめき声が聞こえて、私は飛び上がった。


「あれ…美桜…もう熱は下がったの…?」


「い、いおり先輩!?!?」


 まったく気がつかなかったけれど、私の隣でいおり先輩が丸まって眠っていた。


 同じベッド、同じ布団で。


「い、いつからそこに!?」


「いつからって…昨日の夜だよ。眠くなったから、美桜といっしょに寝ようと思って」


「どういう発想!?」


 普通眠くなったからといって、熱のある人の布団にもぐりこんで寝る??


 いや、いおり先輩に普通を求めてはだめ。この人は変な人なんだから…!

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