この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~

「あ、だ、大丈夫ですか!?お水飲みますか?」


「ち……、…しい……」


「え?」


 先輩がなにかつぶやいたけれど、あまりに小さな声で聞きとれなかった。


「なんて言ったんですか?」


 私は先輩の口元に耳を近づけようと、前かがみになった。


 すると先輩は、私を勢いよく抱きしめてきた。


 先輩におおいかぶさるような形になってしまって、私は慌てた。


「ちょ、ちょちょっと!?先輩!?」


「いい匂いがする……」


「え…?」


「きみ、食べたらおいしそうだね…いただきます…」


 先輩はそう言うと私の首筋にカプっと噛みついた。


「ひゃあっ!?」


 食べられる?!?


 慌てて後ろへ仰け反ると、今度はテーブルに腰をぶつけた。


「あいたっ!」


 私の様子を見ていた先輩は、くすくすと笑い出す。


 その笑い方があまりにきれいで上品で、私は一瞬見惚れてしまった。

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