この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~

「あの…ここは家庭科部であってますか…?」


「はい!そうです!」


 私の返答に、いおり先輩が首をかしげる。


「そうなの?」


「そうです!ここは家庭科部!そして部長は私、綾瀬 美桜!……の一人の部活動なんですけど……」


 現在家庭科部の部員は私一人である。とっても新入部員募集中である!


「家庭科部ってなにするの?」


 いおり先輩の質問に、私は簡単に答える。


「家庭科部は、ご飯作ったり、お菓子作ったり、それを食べたり、です!」


「なるほど。いつもの美桜だ」


「まぁ、そうです!」


 しかも部員は一人とさびしい部活動なので、広い家庭科室で充実した器具を使いたい時くらいにしか活動していないのが現状である。


 正直言って家でも作れるからね。部員がいれば楽しくわいわい作るんだけどなぁ。


「あの、」


 一年生の男子が私の様子をうかがいながら口を開く。


「家庭科部の綾瀬先輩が、お悩み相談をやっている、というのをクラスメイトから聞いて」


「そうなの?」


 さきほどと同じように首をかしげてこちらを見るいおり先輩。


「うーん、特に率先してお悩み相談をしていたわけではないんですけど…」

< 22 / 139 >

この作品をシェア

pagetop