この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~
家庭科部の活動をしている時。
たまたま友人やら、お菓子の匂いにつられてきた生徒たちやらとおしゃべりをしていて、その子たちから悩みを打ち明けられることがあった。
そんなお菓子と一緒に聞いていた話に、ちょこっとコメントしていたのだけど。
そのアドバイスと言うにもおおげさな私の一言が、その子の悩みを解決するにいたったらしい。
その噂がひそかに広まってしまって、今日みたいにたまに相談に来る生徒がいるのだ。
綾瀬さんなら相談に乗ってくれて、アドバイスをくれる、と。
「それであの!僕の相談にも、乗ってくれませんか!?」
後輩くんがあまりに真剣な表情をしていたので、いつも通り断るに断れず、私は話を聞くことにした。
「たいしたアドバイスはできないと思うから、期待はしないでね」
「はい!」
ちょうど焼けたパウンドケーキを切り分けながら、さっそく彼の話を聞くことにした。
「それで、なにに悩んでるの?」
いおり先輩の隣に座った後輩くんは、ゆっくりと話しはじめる。