この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~
3 嫌いを好きにする方法
「さてと、祐一くんの件どうしようかなぁ…」
遅ればせながらわたしもパウンドケーキを食べ終えて、いおり先輩とゆっくり紅茶を楽しんでいた時。
コンコン、とまたも家庭科室の扉がノックされた。
ん?祐一くんかな?忘れ物?
そう思いながら、扉の方に返事を投げる。
「はーい、どうぞー!」
ガラガラガラっと音を立てて入ってきたのは、女の子だった。
これまた私といおり先輩とネクタイの色が違うので、またも一年生だ。
女の子は勢いよくこちらに近寄ってくると、私をじーっと見つめた。
「ええっと、なにか用かな…?」
「綾瀬先輩ですかっ!ここ家庭科部ですよね?家庭科部の綾瀬先輩が相談に乗ってくれるって聞いたんですけど!」
「おおっと、本日二人目のお客様だね。美桜モテモテ。嫉妬しちゃうなぁ」
「いおり先輩は少し静かにしていてください」
「美桜冷たーい」と言いながらいおり先輩は、紅茶のおかわりを淹れはじめた。