この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~
2 吸血鬼の先輩におくる、かきたまうどん
「ご飯…?」
いおり先輩ははじめて聞いた言葉のようにくり返す。
「ご飯です!いおり先輩はご飯不足ですよ!」
私の発言になんの興味もないといった様子のいおり先輩。
「ご飯ね…興味ないかな。別に食べたいとも思えないし…。それより血がほしいんだけど…」
「それもです!その吸血鬼発言!」
私はびしっといおり先輩に指を突きつける。
「吸血鬼発言……」
「血がほしいということは、鉄分不足なんですよ」
「鉄分?」
「鉄分は、血液中の酸素を運ぶ役割があるんです。それが不足してしまうと、いおり先輩のように立ちくらみやめまい、目の下の血流も悪くなって、真っ黒になっちゃうんです」
「へえ…」
「いおり先輩が血をほしがるのは、鉄分不足だからです!」
いくら鉄分不足だからって、血液がほしいと感じるのはめずらしい気もするけれど…。
いおり先輩は私の話を聞きつつも、なおも興味ないといった様子だった。