この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~
ふたりは相変わらず仲が良くないみたいで、いつも会うとこんな感じだ。
たしかにタイプの違うふたりではあるけれど、一葉くんの言葉はいおり先輩にだけは容赦ない。
私の知らないところで、なにかあったのかな…?
「あ、一葉くん。今日は晩ご飯食べてく?」
「あー、そうだな…そうする」
「よかった!今日はちょっと多めに作っちゃったから、どうしようかなぁって思ってたんだ!」
「えー、美桜の料理だったら俺がいくらでも食べるのに…」
いおり先輩はなんだか不満そうに唇をとがらせた。
「今日、ご飯なに?」
「今日はハンバーグだよ~!しかもチーズ入りです!」
「うまそう…」
「えへへ、もうちょっとでできるから、少しだけ待っててね!」
いおり先輩と一葉くんがなにか言い合っているのをよそに、私はていねいにハンバーグを焼いていく。
今日のハンバーグもおいしくできそう…!
私はわくわくした気持ちでフライパンの中のハンバーグをひっくり返した。
料理をしながら、私はひとつの決意を固めていた。
明日、学校で彩ちゃんに直接聞いてみよう!
ご飯を食べない理由がなにか悩みごとなら、少しは相談に乗れるかもしれない。
大好きなご飯が食べられないなんて、悲しいもんね。