この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~
「あれ?そういえばいおり先輩は?」
「え?さっきから私たちふたりだったけど…」
彩ちゃんを保健室に迎えに行く前はたしかにここでチーズリゾットを食べていた。
使ったお皿はきれいに洗われている。
「先に帰っちゃったのかな…?」
辺りをきょろきょろ見回すも、当然いおり先輩の姿はなかった。
するとガラリと音を立てて、家庭科室のドアがスライドした。
「あ、いおりせんぱ…」
入ってきたのはいおり先輩と……。
「大木先輩!?」
彩ちゃんが驚いて立ち上がる。
「どうしてここに……」
私の前にぴょんっと帰ってきたいおり先輩が、ひょうひょうと説明する。
「美味しいチーズリゾットがあるよ~って声をかけたら、簡単についてきたよ」
「いおり先輩…、そんなご飯で釣るみたいな言い方…」
彩ちゃんはなにも考えられなくなったみたいに、口をぱくぱくさせている。