この度先輩のご飯係になりました~私と先輩の幸せレシピ~
いおり先輩に告白されたのは、彩ちゃんの一件が落ち着いた放課後。
「美桜のことが好き、って言ったんだけど」
「なんですと!?」
私の驚きに、いおり先輩は楽しそうに笑う。
「面白い反応するね。美桜、鈍そうだし、はっきり言わなきゃわからないでしょ?」
「うっ…た、たしかに……」
いや、待てよ。好きと言ってもいろんな好きがある。
家族の好き、友達としての好き、先輩後輩としての好き。
「いおり先輩もしかして、私を後輩として好き、ってことですか?」
「違うよ。俺は美桜のこと、女の子として好きなんだよ」
「ぐふっ……!」
いおり先輩はまたさらっと答える。
「俺は美桜のことが好きで、一緒にいたいから一緒にいる」
「私のことご飯係とか言うから、てっきりご飯が目当てなんだと思ってました…」
「それもあるね。美桜のご飯おいしいから。けど、好きでもなかったら一緒にいないでしょ、ふつう」
そ、そういうものかな…?
いおり先輩は普通の人と違って、いまいちなにを考えているのかわからない不思議な人だ。
そんな人に「普通」を説かれる日が来ようとは…。
「俺は美桜と付き合いたいって思ってる」
「え、え…」
「美桜はきっとそんなこと考えもしなかったと思うから、今は気にしなくていいよ」
「気にしなくていいって…」
気にしちゃうでしょ!ふつう!