強面社長は幼馴染のつよつよ教師を一途に溺愛する
 あれは、大学3年の時のこと。聖堂館の同窓会があった。糸が出席することを直前に知り、俺も急遽かけつけたのだ。
 相変わらず糸はみんなの中心にいた。ハキハキした物言いも以前よりマイルドになり、機知の効いた会話は誰もを楽しませていた。
 この時はなぜか女子たちが俺にも話しかけてきて、皆大人になって社交性がついたのだと感じた。
 しかし有難いことだが、せっかく参加したのに糸と話すことが出来ない。焦れったく思っていた矢先、糸がみんなの輪から抜け出してきた。
「この後時間ある? 全然喋れなかったし飲みに行かない?」
 俺はもちろん二つ返事でOKした。
 結局、時間が遅かったため飲みに行くことはできず、糸のアパートで飲むことになった。
 俺は糸と二人きりになるという展開に浮かれていた。糸を独り占めしたかったのだ。
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