強面社長は幼馴染のつよつよ教師を一途に溺愛する
 そこで私は初めてあの時のことを他人に話してみた。今まで学生時代の親友にさえ話したことのない私の黒歴史だ。
 メグ先生に話したら、ひょっとしたら今のこの状況から抜け出せるのんじゃないかと一縷の望みをかけて。

「なるほど。そんなことがあったんだ……」
「正直言って、あれはヤリ捨て。今考えてもあいつは許せない。でも……久しぶりに会ったらそんなこと忘れて、私から話しかけちゃったんです。それからは今みたいに、たまにメッセージのやり取りをしたり……」
「ふむ。だから彼の目の前で婚活アプリに登録したのか。反応を見たかったのね」
「ですね……」
 人に話すと、こんがらがった頭の中が整理されていく。現実を突きつけられているような気分だけど、すっきりする。
「……吐き出すことって大事なんですね」
「ふふふ、そうね。たいていの悩みは、自己解決できるのよ。悩みを吐き出して、ただ聞いてもらうだけでね。その顔だと、どうしたいか考えはまとまったようね」
「……少なくとも課金には手を出さないかな」
「プッ……そうね。もし課金に手を出すとしても、その彼との関係を整理してからだね」
「はい。ちょっとすっきりしました。メグ先生、聞いてくださってありがとうございます!」
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