強面社長は幼馴染のつよつよ教師を一途に溺愛する
「もうすぐ運動会なのよ。毎日毎日子供たちと練習中。日中はまだずっと真夏日でしょう? 夜風がこんなに心地いいなんて知らなかったわ」
「たしかに。もう秋の気配だな……寒いか?」
「ううん、ちょうどいい」
こんな熊男なのに、一応気を使ってくれるのか。なかなかジェントルマンな熊だな。
私たちは運ばれてきた小さなグラスを、一つ一つ味わいながら、サテやバビグリンなどの本格的なバリ料理を堪能した。
「マトン……食べられるのか?」
「ん? 私、何の肉でも食べるよ。よく『牛・豚・鶏しか食べれない~』っていう女の子いるけど、全然平気。臭さもいいじゃない」
「そっか……」
可愛げがないのはわかっている。でも可愛い子ぶって自分を偽ってもあとが面倒なだけだ。そう思って、白蛇男と食事をした時も、自分の好みを主張した。今考えてみれば、あれも断られた理由の一つなのかもしれない。きっと白蛇男は大人しくて可愛げのあるタイプの女の子がタイプだったのだ。
でも、謙吾のこの聞き方って、なんだろう。ひょっとして、誰かと比べられているのだろうか。この7年、謙吾が誰と付き合ってきたかなんて知らない。きっとマトンが食べられない女の子もいたのだろう。
「たしかに。もう秋の気配だな……寒いか?」
「ううん、ちょうどいい」
こんな熊男なのに、一応気を使ってくれるのか。なかなかジェントルマンな熊だな。
私たちは運ばれてきた小さなグラスを、一つ一つ味わいながら、サテやバビグリンなどの本格的なバリ料理を堪能した。
「マトン……食べられるのか?」
「ん? 私、何の肉でも食べるよ。よく『牛・豚・鶏しか食べれない~』っていう女の子いるけど、全然平気。臭さもいいじゃない」
「そっか……」
可愛げがないのはわかっている。でも可愛い子ぶって自分を偽ってもあとが面倒なだけだ。そう思って、白蛇男と食事をした時も、自分の好みを主張した。今考えてみれば、あれも断られた理由の一つなのかもしれない。きっと白蛇男は大人しくて可愛げのあるタイプの女の子がタイプだったのだ。
でも、謙吾のこの聞き方って、なんだろう。ひょっとして、誰かと比べられているのだろうか。この7年、謙吾が誰と付き合ってきたかなんて知らない。きっとマトンが食べられない女の子もいたのだろう。