強面社長は幼馴染のつよつよ教師を一途に溺愛する
 謙吾が触れるだけのキスをしてくる。何度も啄ばむように繰り返されるキスに、私の方が焦らされて我慢できなくなる。
「謙吾……大丈夫だから。痛くないよ。傷つかないから。もっと、もっとキスして」
「……少しでも痛いと思ったら言ってくれ」
 そうして、謙吾は深く深く私に口付けた。
 息も絶え絶えになった頃、フッと体が持ち上がる。謙吾がひょいと私を軽くすくい上げるかのように抱き上げたのだ。
 キングサイズのベッドに運ばれ、再び容赦ないキスをされる。バスローブの紐が解かれ、謙吾の手が私の体に触れた。大きくてごつごした謙吾の手。でもこわれ物に触れるかのような手つきは優しい。
 あの時もそうだった。こんな見た目だけど、謙吾は優しい。愛情が伝わってくる。
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