強面社長は幼馴染のつよつよ教師を一途に溺愛する
「ゆっくり入ってこい。昨日の服と靴はランドリーサービスから届いている。あと着替えはそこのウォーキングクローゼットに入っているから」
「え」
「化粧品もコンシェルジュに適当なものを頼んだ。好みがわからなかったから、あうかどうかわからんが……」
 適当って、……これ、デパコスのめちゃくちゃ高級なやつ! こんなの使えたら女優さん気分だよ!
「あ、ありがとう……」
 謙吾が去った後シャワーを浴び、下界に広がる朝の静かな街並みを眺めながらジェットバスに入った。体中のありとあらゆる筋肉が解れていくのを感じる。セカンドバージンの私にはなかなかヘビーな夜だった。謙吾はとても優しかったけど。
 昨日のこと、思い返してみると恥ずかしすぎる。プールには落ちちゃうし、ホテルの人にも迷惑かけただろうし。なによりあの日のことが誤解だったなんて……。
 私達、7年も無駄にしたってこと? 私のせいだよね。それなのに熊男になって待っててくれたんだ。
「大切にしなきゃ……」
 そうだ。これからは謙吾を大切にする! この性格はちょっとやそっとじゃ直らないだろうけど、愛を伝えることはできるのだから。
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