強面社長は幼馴染のつよつよ教師を一途に溺愛する
「最近は息子達に事業を任せているから、孫の相手ばかりなんですよ」
「いいですね。お孫さん、おいくつなんですか?」
 うちの両親が羨ましそうに聞いている。
「長男の方は小学4年と2年。次男の方は小学1年。全員聖堂館に通っていますよ」
 そうそう。六車一族は聖堂館でも有名だ。全員男子で、各学年で抜きん出て体が大きい。
「まぁ、糸は受け持っていないの?」
「私は今6年生の担任だから」
 実は私、新米の頃から低学年を受け持ったことがない。
 しっかり者と見られるのは別にいいのだが、いつか可愛い一年生を受け持ってみたいと思っているのよねー。
「糸ちゃん、相変わらずしっかりしてるのねー! この子ボーッとした熊みたいな子だから、糸ちゃんがお嫁さんになってくれたら安心だわ。あのむさ苦しい髭もやっと剃ったのね! ほんと、目つきも悪いし誰に似てこんなに図体がでかいのやら」
 推定175㎝くらい? そしてつり目気味のお義母さん。誰の目にもあなたにそっくりなんですけど……と皆心で思ったが、声に出して言う者はいなかった。
 でも、昔から朗らかで面倒見が良く、大好きな方だ。
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