強面社長は幼馴染のつよつよ教師を一途に溺愛する
 それはたしかにそもそも論だ。俺は友達に戻ってでも、糸とまた会えるならそれでいいと思っていた。けど、会い続ければ前へ進みたくなるだろう。好きなんだから、当たり前のことだ。糸はちゃんと先を見越してた。もちろん充も。あれは糸なりにチャンスをくれてたんだ。
「まったく、不器用すぎるわよ」
「……すまん」
「……ふふふっ」
 なぜだか、糸がおかしそうに笑い出した。
「代表を辞めてまで、私とマッチングしようなんて…………笑える」
 なんだよ。こっちは真剣に考えたのに。
「ちょっと道を間違えそうになったみたいだけど、ちゃんと軌道修正できたから――」
 そう言って、ベッドに正座している俺の上に飛び乗ってきた。
「……許してあげる。でもお仕置は必要よね」
「わっ」
 ヤバい。倒される……! 
「糸っ!」
 やっぱり押し倒されるのは俺じゃないか。 
「ふふふ……愛してる」
 糸がキスの雨を降らす。
「フッ……俺も愛してる」
 これはお仕置じゃなくて褒美だろう。
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