強面社長は幼馴染のつよつよ教師を一途に溺愛する
エピローグ 〜溺愛熊の宝もの〜
 10月最初の日曜日。よく晴れた秋空の下、聖堂館学園小学校の運動会が開催された。
 学園のグラウンドにはたくさんのテントが立てられ、所狭しとレジャーシートが敷きつめられている。
 今日は一生懸命練習に励んだ生徒たちの発表の場だ。特に6年生は今年が最後の運動会。私もみんなの勇姿をこの目に焼き付けないと!
 
 開会式が始まり、整列した6年生の後ろに立っていると、放送席の真横という特等席に、一際目立つ一家がいた。とにかく全員がでかい、六車家の団体さんだ。長男一家に次男一家、祖父母に加えて、なぜか三男の謙吾まで参加している。来るなんて聞いてなかったのに。

 顔合わせの後、私たちは一緒に暮らし始めた。
 結婚するに当たって、一番悩まされたのは住居問題。意外なことに謙吾はずっと実家暮らしだった。というのも、一般的なマンションでは天井が低くて暮らしにくいからだ。いずれ所帯を持つときには、自身が快適に暮らせるよう新居を建てるつもりでいたらしい。そういうわけで、私達は先ず最初に新居探しに取り組んだ。
 幸いなことに、長男の駿吾さんが学園近くに土地を見つけてくれ、現在建築中だ。
< 68 / 73 >

この作品をシェア

pagetop