私の彼氏は配信者!
それから、かなり溺愛気質でした。
些細な事でも、甘やかしてくるのよ。こちらが気恥ずかしくなるくらいに。
流石にTPOはわきまえてくれるけれども、それでも常時私に対する態度が甘いんです…。
もともとそうかな? って思っていたら、それ以上だった。


「遥翔って、結構な溺愛気質だよね」

「まぁね。最初は自分でも驚いていたけれど溺愛(コレ)に関しては、もう僕の性質だから甘んじて受け入れてよ。本音を言うと、もっとドロドロに甘やかしたいんだから」

「え゛。今以上?」


今だって、何かと気を使ってくれる。
大体の事は私を優先してくれる。
出先だって、さりげなくエスコートしてくれる。物凄く紳士な遥翔なのだけれど、今以上に甘くなるって……想像がつかないんですが?


「そう。悠の事ダメにしたいわけじゃないけれど、僕なしではいられないくらいには、甘やかしたいかな」


……。
そんな曇りなき笑顔で言いきらないでほしいのですが。
しかし、セリフが若干アレだけど……遥翔が言うと違和感ないのはずるくないでしょうかね?
顔が良いからなのかしら? 実際遥翔の顔は好みなので、違和感が仕事しない場面が多数ある。
仄かに身の危険を感じるけれども、嫌じゃないのが困るところ。


「えっとぉ……。身を滅ぼさない程度に、程々にお願いします」

「ふふ。そこは大丈夫。僕の稼ぎは配信だけじゃないからね」


そんな笑顔で言われても、ちっとも説得力が感じられないのですがね?
でも。遥翔はきちんと匙加減はわかっていると思うから、本人が大丈夫っていうなら大丈夫なんだろうな。
配信以外のってところも気になるけれど、いずれは遥翔から教えてくれるでしょう。
突っ込んで聞いてみて、その結果が藪蛇だったらちょっと怖いし。
私も気を付けないとねぇ。あまり、遥翔の事言えない気もするから。


夜の方も……正直、ここまで体の相性が合うのか? と驚くほど…ヨカッタです…はい。
比べるのは良くないけれど、正直なところ仁以上でした……。これは墓場まで持っていこう。
あそこまで正体をなくすほどまでイッたの、初めてでございます。
お互い初めてではなかったけれど、遥翔ってセックスもうまいのね。
……うん。ちょっと、モヤるかも。


「自分本位な行為はしたくないんだ。こういうのって、お互い気持ちよくないとね」

「なるほど?」


と。聞いてみたらこう言っていたわ。
確かにそうだよねぇ。


「確かに始めてはなかったけれど、ほとんどが本での知識だしね。自衛のためにも体だけのお付き合いはしないようにしていたから、お付き合いした人は少ないんだよ」

「え? その外見と声で?」

「ガツガツしてる女性(ひと)が苦手だからね。好みの問題もあるけれど、付き合っても長続きしない事が多いんだ。僕が本気になれなかったせいもあるけれどね、あっちから離れちゃうんだよ」

「あー……それは…。自分に気持ちがないのは、なんとなくでもわかっちゃうからねぇ。本気になれなかったのは、どうしようもないものね。惰性でお付き合い続けるのも、つらいものがあるし」

「そうなんだ。ある意味、悠が初めて本気で好きになった人なんだ。だから、物凄く大切にしたいんだと思う」


成程。遥翔の事がちょっと知れて嬉しいけれども。彼女としてはちょっとだけ複雑な心境かもしれぬ。避けて通れない話題ではあるから、話してくれてありがたいとは思うよ。
まぁ、過去は過去だから嫉妬してもしょうがないと割り切りましょうか。
セックスについては本人達の性癖にもよるだろうけれど、できればお互いが気持ちよくなってないと関係は続かないよね。


「悠が気持ち良いと、僕も嬉しいんだ。もっと良くなれるよう、頑張るからね」


と。
とてもステキな笑顔で言われました。
アレ以上に? と及び腰になるけれども。遥翔は私が嫌がる事はしないはずなので、快楽を受け入れた方が楽かもしれない。
正直なところ、セックスは嫌ではないのよ。求められれば、よほどの事がない限りはお断りはしないと思う。
でも、やられっぱなしは嫌なので。
私も遥翔を悦ばせられるように、頑張る所存だ。
< 43 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop