私の彼氏は配信者!
◆エンディング◆
遥翔と付き合うようになってから、はや1年経過。
大きく変わった事と言えば、同棲開始した事かしらね。
お付き合いしてから2か月後あたりで、遥翔から同性の話があったのよ。
結構お泊りとかもしていたし、お互いの気の抜けた姿を見ても不快にならなかったし。
羞恥心もあったけれども、それ以上にリラックスできていた事もあって同性へと踏み切りましたわ。
お互いに忙しくなれば、あまり構っていられなくなるからっていう事もあるわね。
「会いに行く時間が取れないなら、一緒の空間にいればすぐに会えるよね」
と。
やつれた顔で言われたのが、ダメ押しとなった感は否めないけれど。
「帰宅した時の、好きな人からのおかえりって言ってもらえる破壊力よ」
「かなり嬉しいものがあるよねぇ。改めて、おかえり。遥翔」
今日は外での収録があった日。
結構楽しんだようだけれど、それなりにお疲れの様子。
それでも私の出迎えに、心底嬉しそうにするから可能な限りこうして出迎えるようにしているのよね。
逆の立場でも、私も嬉しいからね。
「お風呂沸かしているから、先に入ってきなよ」
「ありがとう。悠は?」
「私は後で。もう少しで区切りつけられそうだから」
「そっか。じゃあ、遠慮なく先に入っとくね」
遥翔をお風呂に送り出して、自分はこんなに家庭的だったかね? と苦笑する。
何かとお世話をしたくなるのよね。
陣の時もそんな感じだったのだから、きっと性分なんだろうねぇ。
「さて、と。さっさと終わらせましょうかね」
依頼されているイラストは、あともう少しで出来上がる。
今回も会心の出来になるでしょうねぇ。
今。
凄く充実していると思う。
あの時の絶望感が嘘のよう。だけれど、アレがあったから今の幸せがあると思うと、それはそれでよかったのかもしれないと思える。
仁は仁で、新しい恋を見つけて大切にしていると聞いたわ。
今度こそ間違えないって、誓いを立てているみたい。
それは私も同じで、相手に負担にならないように自分の事を伝える努力をしようと密か誓っているのよね。
遥翔はそんな私の決意を知っている気がする。
彼も彼で、いろんな事を私と共有してくれるんだ。
きっと。今日の収録の事とか、いろいろ話してくれると思う。
私も、その日にあった事とか、感じた事、何かしら発見した事とかを話すようにしている。
それがきっかけで話が膨らんで、相手の事をより深く知る事が出来るのよ。
そして、どんどん好きになっていくの。
どうしても受け入れられない事があったとしても、それは相手に見せないように配慮すればいいだけのお話だと思っている。
否定する事は簡単だけれども、好きな事を否定されるほどつらい事はないと思っているからね。
受け入れられなくとも理解はできると思うのよ。
「お風呂ありがとう。どうしたの? 結構ご機嫌じゃない」
「んー? 忙しいけれど、幸せだなぁって」
「そっか。僕も、とても幸せだよ。好きな人と一緒にいられるの、とっても幸せに思う」
お風呂で温まった遥翔から、好きな香りがして。
こっそりとその香りを堪能する。
「些細な事でも、会話って大事だなぁって思うわ。会話なしの時間も苦痛ではないから、あっても良いけれど。やっぱり会話を通して、遥翔の事知りたいって思う」
「それは、教訓?」
「そう。お互いを知る機会が圧倒的に少なかったなって反省したの。今こうして一緒に暮らせるのも、遥翔の事が知れたからなのよ」
「そう言えば、仁科とは同棲していなかったよね」
イラストを描き上げて、クライアントへ送信した後。
いつも通り遥翔にすっぽり包まれて、彼の体温を感じる。
この時間が何よりも好きなのよね。とても安心する。
「そう。そもそもそういう話が上がらなかったの。私からも、仁からも」
「悠からも出ていなかった事は意外だね」
「忙しかった事もあるんだけれど、よくよく思い返してみればね。私の『日常生活』に仁の事含められなかったなって、結論に至ったの」
振り返ってみれば、恋人として仁の事は好きではあったのですよ。
お互いの部屋へお泊りするのも、抵抗はなかったかな。
でも。常日頃から、自分のテリトリーにいてほしい人だったのか? と考えてみたら、そうでなかったんだよね。
恋人と家族の違いか? と思っていたけれども。
「自分のテリトリーに招き入れたいと思うほど、仁の事を知ろうとしていなかったんだなぁって……」
「結構野性的な感覚だけれど、自分のテリトリーに招き入れたいって感覚は分かる気がする」
「うまい言葉が見つからなくて悪いけれどね。一緒に住むって、結局はそういう事かなって」
「そうだね。好きなだけでは、乗り越えられない事もあるからねぇ……」
付き合い始めて1年。同棲して半年以上たってはいるけれども。
まだまだ知らない事だらけで、少しずつ歩み寄っている最中だ。
割と早い段階でだらしない恰好を見せる羽目にはなったけれども……。
大きく変わった事と言えば、同棲開始した事かしらね。
お付き合いしてから2か月後あたりで、遥翔から同性の話があったのよ。
結構お泊りとかもしていたし、お互いの気の抜けた姿を見ても不快にならなかったし。
羞恥心もあったけれども、それ以上にリラックスできていた事もあって同性へと踏み切りましたわ。
お互いに忙しくなれば、あまり構っていられなくなるからっていう事もあるわね。
「会いに行く時間が取れないなら、一緒の空間にいればすぐに会えるよね」
と。
やつれた顔で言われたのが、ダメ押しとなった感は否めないけれど。
「帰宅した時の、好きな人からのおかえりって言ってもらえる破壊力よ」
「かなり嬉しいものがあるよねぇ。改めて、おかえり。遥翔」
今日は外での収録があった日。
結構楽しんだようだけれど、それなりにお疲れの様子。
それでも私の出迎えに、心底嬉しそうにするから可能な限りこうして出迎えるようにしているのよね。
逆の立場でも、私も嬉しいからね。
「お風呂沸かしているから、先に入ってきなよ」
「ありがとう。悠は?」
「私は後で。もう少しで区切りつけられそうだから」
「そっか。じゃあ、遠慮なく先に入っとくね」
遥翔をお風呂に送り出して、自分はこんなに家庭的だったかね? と苦笑する。
何かとお世話をしたくなるのよね。
陣の時もそんな感じだったのだから、きっと性分なんだろうねぇ。
「さて、と。さっさと終わらせましょうかね」
依頼されているイラストは、あともう少しで出来上がる。
今回も会心の出来になるでしょうねぇ。
今。
凄く充実していると思う。
あの時の絶望感が嘘のよう。だけれど、アレがあったから今の幸せがあると思うと、それはそれでよかったのかもしれないと思える。
仁は仁で、新しい恋を見つけて大切にしていると聞いたわ。
今度こそ間違えないって、誓いを立てているみたい。
それは私も同じで、相手に負担にならないように自分の事を伝える努力をしようと密か誓っているのよね。
遥翔はそんな私の決意を知っている気がする。
彼も彼で、いろんな事を私と共有してくれるんだ。
きっと。今日の収録の事とか、いろいろ話してくれると思う。
私も、その日にあった事とか、感じた事、何かしら発見した事とかを話すようにしている。
それがきっかけで話が膨らんで、相手の事をより深く知る事が出来るのよ。
そして、どんどん好きになっていくの。
どうしても受け入れられない事があったとしても、それは相手に見せないように配慮すればいいだけのお話だと思っている。
否定する事は簡単だけれども、好きな事を否定されるほどつらい事はないと思っているからね。
受け入れられなくとも理解はできると思うのよ。
「お風呂ありがとう。どうしたの? 結構ご機嫌じゃない」
「んー? 忙しいけれど、幸せだなぁって」
「そっか。僕も、とても幸せだよ。好きな人と一緒にいられるの、とっても幸せに思う」
お風呂で温まった遥翔から、好きな香りがして。
こっそりとその香りを堪能する。
「些細な事でも、会話って大事だなぁって思うわ。会話なしの時間も苦痛ではないから、あっても良いけれど。やっぱり会話を通して、遥翔の事知りたいって思う」
「それは、教訓?」
「そう。お互いを知る機会が圧倒的に少なかったなって反省したの。今こうして一緒に暮らせるのも、遥翔の事が知れたからなのよ」
「そう言えば、仁科とは同棲していなかったよね」
イラストを描き上げて、クライアントへ送信した後。
いつも通り遥翔にすっぽり包まれて、彼の体温を感じる。
この時間が何よりも好きなのよね。とても安心する。
「そう。そもそもそういう話が上がらなかったの。私からも、仁からも」
「悠からも出ていなかった事は意外だね」
「忙しかった事もあるんだけれど、よくよく思い返してみればね。私の『日常生活』に仁の事含められなかったなって、結論に至ったの」
振り返ってみれば、恋人として仁の事は好きではあったのですよ。
お互いの部屋へお泊りするのも、抵抗はなかったかな。
でも。常日頃から、自分のテリトリーにいてほしい人だったのか? と考えてみたら、そうでなかったんだよね。
恋人と家族の違いか? と思っていたけれども。
「自分のテリトリーに招き入れたいと思うほど、仁の事を知ろうとしていなかったんだなぁって……」
「結構野性的な感覚だけれど、自分のテリトリーに招き入れたいって感覚は分かる気がする」
「うまい言葉が見つからなくて悪いけれどね。一緒に住むって、結局はそういう事かなって」
「そうだね。好きなだけでは、乗り越えられない事もあるからねぇ……」
付き合い始めて1年。同棲して半年以上たってはいるけれども。
まだまだ知らない事だらけで、少しずつ歩み寄っている最中だ。
割と早い段階でだらしない恰好を見せる羽目にはなったけれども……。