私の彼氏は配信者!
イラストの締め切りと仕事の板挟みで、修羅場っているところをがっつり見られましたとも。
日付変わる前に帰宅して、丑三つ時までイラスト作業をこなし、何とかシャワーを浴びてわずかな睡眠をとる。と言う日々を2週間ほど続ける事になったのよ。
今まではきちんとスケジュール管理をしていたのだけれど……会社の方でトラブル発生したものだから、タイミングが悪くて忙殺されかけましたわ…。
根不足で髪もお肌もヨレヨレのボロボロな状態で、女としてアウトな見た目になったわねぇ。
どうしようもない事だけれど、かなり遥翔に心配かけちゃったわ。
とにもかくにも、アレ以上のダメな姿はなかろうて……。
遥翔も遥翔で、企画で徹夜した時は結構な壊れっぷりを見せてくれたわね…。
24時間配信で、ゲームしたりおしゃべりしたりの。
それでも愛おしいと思えるくらいには、彼の事が大好きなのよねぇ。
それは遥翔も同じみたい。でもそこに胡坐をかきたくはないので、身だしなみとかは頑張りたいところ。
遥翔に関して、幻滅する事が少ないんだよね。
遥翔は、欠点は欠点としてきちんと把握しているし、私が『好きではない』と言ったモノについては出さないように気を使ってくれる。
どうしても必要な事になると、きちんと説明してくれるからだろうなと思う。
面倒くさがったり、押し付けたりしないから私も寄り添えるんだと思おう。
「遥翔は、良い所も悪い所も見せてくれる。私の事も良し悪し見ても構わずいてくれるから、一緒にいたいと思うんだろうなぁ」
「ふふ。ありがとう。悠に嫌われたくなくて、必死なだけだけど……悠の欠点見ても、嫌いになる事はないかなって思ってるよ」
「修羅場ってる所見られたけれど、アレみて大丈夫なら……大概の事は…いや、うん。私もそこは同じかな。遥翔のダメな所を見ても、嫌いになる事はないと思ってるよ」
直してほしい所は、その都度言う。
これも一緒に生活していく中でのルールに、組み込んでいるの。
我慢も美徳かとは思うけれど、私はそれで失敗したからね。
「本音を言えば、あまりかっこ悪い所はみてほしくないけれどね」
「私もよ。でも、無理して欲しいわけじゃないからね」
「そうだね。……ん-。やっぱり、悠が好きすぎてどうにかなりそう。悠なしの生活は考えられないから、ずっと一緒にいてね」
「んふふ。私も遥翔なしは嫌なの。嫌と言っても一緒にいたいわ」
ぎゅうっと腕の力を強めて、私の肩口辺りでぐりぐりとマーキングするかのように顔をくっつけてくる。
彼の髪がくすぐったくて、でもそれが心地よくてされるがままにしている。
こうした触れ合いが、なくてはならないものになっている。
「そういえば…遥翔、配信は?」
「機材トラブルで、暫くお休みになったんだよ。新しい機材が届くまで、ちょっとかかるみたい」
「機材トラブル?」
「うん。配信用のPCがお亡くなりになりました。出来る範囲で試してみたけれど、うんともすんとも。修理には出すけれど、せっかくだから新しくしようかなって」
機材トラブルなら致し方ない事だと思う。
最近異音がすると言っていたから、それが原因かもしれないね。
「それに、最近お互いにゆっくりできなかったでしょ? 悠が足りないから、ゆっくり補填させて?」
「ん……それは、良いけれど…。ぁ、ん…」
遥翔は甘えながら、後ろから胸をやわやわといじりだした。
補填って、そっちも?
じんわりと、小さな快楽が蓄積されていく。
これは……この後の予定はキャンセルになりそうかなぁ。
お買い物に行きたかったけれど…それはまぁ、的今度でもいいか。
「…考え事?」
「ん? この後の予定の事。急ぎじゃないから、ゆっくりいちゃつきましょうかね? 遥翔さんや」
「良いの?」
「勿論。個人的なお買い物より、遥翔との時間が大事だもの。お買い物はいつでも行けるからね」
そういって、体の向きを変えて遥翔にキスを送る。
呆気に取られていたけれど、すぐに破顔してさらにキスを深めていく。
「あぁ、もう。悠は僕を甘やかすの、上手いよねぇ。どうしようもなく、悠を愛したくなる」
「んふふ。明日は一緒に出掛けたいから、やりすぎないでね?」
「んー…善処します」
「それ、絶対手加減しないヤツ」
苦笑しつつ、なんだかんだ言って受け入れる私も、大概かなと思う。
この後の甘いひと時に心躍らせ、愛し愛される関係を続けていけるよう願う。
私の恋人は、配信者。
けれど、彼は配信を理由に恋人を放置する人ではなかった。
一緒に暮らして、時間があればスキンシップをとってお互いの事を話して理解しあえる。
これがどんなに幸せな事か……あの頃の自分に教えてあげたいほどだわ。
でも、過去があって、今の私がいる。
すれ違う事があるかもしれないけれど、過去を教訓にこれからを大切にしていこう。
1人ではなく、2人で。
END
日付変わる前に帰宅して、丑三つ時までイラスト作業をこなし、何とかシャワーを浴びてわずかな睡眠をとる。と言う日々を2週間ほど続ける事になったのよ。
今まではきちんとスケジュール管理をしていたのだけれど……会社の方でトラブル発生したものだから、タイミングが悪くて忙殺されかけましたわ…。
根不足で髪もお肌もヨレヨレのボロボロな状態で、女としてアウトな見た目になったわねぇ。
どうしようもない事だけれど、かなり遥翔に心配かけちゃったわ。
とにもかくにも、アレ以上のダメな姿はなかろうて……。
遥翔も遥翔で、企画で徹夜した時は結構な壊れっぷりを見せてくれたわね…。
24時間配信で、ゲームしたりおしゃべりしたりの。
それでも愛おしいと思えるくらいには、彼の事が大好きなのよねぇ。
それは遥翔も同じみたい。でもそこに胡坐をかきたくはないので、身だしなみとかは頑張りたいところ。
遥翔に関して、幻滅する事が少ないんだよね。
遥翔は、欠点は欠点としてきちんと把握しているし、私が『好きではない』と言ったモノについては出さないように気を使ってくれる。
どうしても必要な事になると、きちんと説明してくれるからだろうなと思う。
面倒くさがったり、押し付けたりしないから私も寄り添えるんだと思おう。
「遥翔は、良い所も悪い所も見せてくれる。私の事も良し悪し見ても構わずいてくれるから、一緒にいたいと思うんだろうなぁ」
「ふふ。ありがとう。悠に嫌われたくなくて、必死なだけだけど……悠の欠点見ても、嫌いになる事はないかなって思ってるよ」
「修羅場ってる所見られたけれど、アレみて大丈夫なら……大概の事は…いや、うん。私もそこは同じかな。遥翔のダメな所を見ても、嫌いになる事はないと思ってるよ」
直してほしい所は、その都度言う。
これも一緒に生活していく中でのルールに、組み込んでいるの。
我慢も美徳かとは思うけれど、私はそれで失敗したからね。
「本音を言えば、あまりかっこ悪い所はみてほしくないけれどね」
「私もよ。でも、無理して欲しいわけじゃないからね」
「そうだね。……ん-。やっぱり、悠が好きすぎてどうにかなりそう。悠なしの生活は考えられないから、ずっと一緒にいてね」
「んふふ。私も遥翔なしは嫌なの。嫌と言っても一緒にいたいわ」
ぎゅうっと腕の力を強めて、私の肩口辺りでぐりぐりとマーキングするかのように顔をくっつけてくる。
彼の髪がくすぐったくて、でもそれが心地よくてされるがままにしている。
こうした触れ合いが、なくてはならないものになっている。
「そういえば…遥翔、配信は?」
「機材トラブルで、暫くお休みになったんだよ。新しい機材が届くまで、ちょっとかかるみたい」
「機材トラブル?」
「うん。配信用のPCがお亡くなりになりました。出来る範囲で試してみたけれど、うんともすんとも。修理には出すけれど、せっかくだから新しくしようかなって」
機材トラブルなら致し方ない事だと思う。
最近異音がすると言っていたから、それが原因かもしれないね。
「それに、最近お互いにゆっくりできなかったでしょ? 悠が足りないから、ゆっくり補填させて?」
「ん……それは、良いけれど…。ぁ、ん…」
遥翔は甘えながら、後ろから胸をやわやわといじりだした。
補填って、そっちも?
じんわりと、小さな快楽が蓄積されていく。
これは……この後の予定はキャンセルになりそうかなぁ。
お買い物に行きたかったけれど…それはまぁ、的今度でもいいか。
「…考え事?」
「ん? この後の予定の事。急ぎじゃないから、ゆっくりいちゃつきましょうかね? 遥翔さんや」
「良いの?」
「勿論。個人的なお買い物より、遥翔との時間が大事だもの。お買い物はいつでも行けるからね」
そういって、体の向きを変えて遥翔にキスを送る。
呆気に取られていたけれど、すぐに破顔してさらにキスを深めていく。
「あぁ、もう。悠は僕を甘やかすの、上手いよねぇ。どうしようもなく、悠を愛したくなる」
「んふふ。明日は一緒に出掛けたいから、やりすぎないでね?」
「んー…善処します」
「それ、絶対手加減しないヤツ」
苦笑しつつ、なんだかんだ言って受け入れる私も、大概かなと思う。
この後の甘いひと時に心躍らせ、愛し愛される関係を続けていけるよう願う。
私の恋人は、配信者。
けれど、彼は配信を理由に恋人を放置する人ではなかった。
一緒に暮らして、時間があればスキンシップをとってお互いの事を話して理解しあえる。
これがどんなに幸せな事か……あの頃の自分に教えてあげたいほどだわ。
でも、過去があって、今の私がいる。
すれ違う事があるかもしれないけれど、過去を教訓にこれからを大切にしていこう。
1人ではなく、2人で。
END