人生終了のお知らせが届きました
玄関ドアがカチャと音を立てた。孝弘が帰って来たのだ。
孝弘は、冷蔵庫からペットボトルを取り出し、そのままの足で、煌々と明かりが点くリビングへ向かう。
「ただいま、まだ起きていたのか? 俺の事は気にしないで早く寝ろよ。明日も仕事だろ」
てっきり、紗理奈が待ち構えているものと、声を掛けたが返事はない。
代わりに寝息が聞こえてきた。
「なんだ、こんな所で寝てるのか……」
ソファーで横になっている紗理奈を見つけたが、その格好といえば、くたびれた学校指定の体操服、下は短パンで生足が丸出しで、布団の代わりにクッションを抱いている。
化粧っけのない顔は、まだ少女の面影を残しているのに、ぷっくりした唇は甘い誘いを掛けてくるようだ。そして、着古した体操服に包まれた肢体は、芳醇な香りを漂わせていた。
隙だらけの無防備な姿は、酷く艶めかしい。
「人の気も知らないで、呑気なもんだ。ほら、起きて自分の部屋のベッドで寝ろよ」
軽く揺するが、紗理奈はスヤスヤと寝息を立て、起きる気配を見せない。
孝弘は、ネクタイに指を掛けるとシュルリと緩め、細く息を吐き出す。
「……しょうがないな。部屋まで運ぶか」
眠っている紗理奈の背中と膝裏に腕をまわし抱き上げると、孝弘はフッと柔らかな笑みを浮かべた。
「寝顔は昔のまんまだな」
そうつぶやくと、腕の中にいる紗理奈が甘えるように肩口に顔を寄せてくる。
「ん、タカ兄……おかえりぃ」
フニャっと笑ったかと思うと、紗理奈は再びスヤスヤと寝息を立て始めた。
愛おしげに紗理奈を見つめる孝弘はため息を吐く。
「まったく、誰のために毎晩遅くまで、俺は苦労してんだか……」
孝弘は、冷蔵庫からペットボトルを取り出し、そのままの足で、煌々と明かりが点くリビングへ向かう。
「ただいま、まだ起きていたのか? 俺の事は気にしないで早く寝ろよ。明日も仕事だろ」
てっきり、紗理奈が待ち構えているものと、声を掛けたが返事はない。
代わりに寝息が聞こえてきた。
「なんだ、こんな所で寝てるのか……」
ソファーで横になっている紗理奈を見つけたが、その格好といえば、くたびれた学校指定の体操服、下は短パンで生足が丸出しで、布団の代わりにクッションを抱いている。
化粧っけのない顔は、まだ少女の面影を残しているのに、ぷっくりした唇は甘い誘いを掛けてくるようだ。そして、着古した体操服に包まれた肢体は、芳醇な香りを漂わせていた。
隙だらけの無防備な姿は、酷く艶めかしい。
「人の気も知らないで、呑気なもんだ。ほら、起きて自分の部屋のベッドで寝ろよ」
軽く揺するが、紗理奈はスヤスヤと寝息を立て、起きる気配を見せない。
孝弘は、ネクタイに指を掛けるとシュルリと緩め、細く息を吐き出す。
「……しょうがないな。部屋まで運ぶか」
眠っている紗理奈の背中と膝裏に腕をまわし抱き上げると、孝弘はフッと柔らかな笑みを浮かべた。
「寝顔は昔のまんまだな」
そうつぶやくと、腕の中にいる紗理奈が甘えるように肩口に顔を寄せてくる。
「ん、タカ兄……おかえりぃ」
フニャっと笑ったかと思うと、紗理奈は再びスヤスヤと寝息を立て始めた。
愛おしげに紗理奈を見つめる孝弘はため息を吐く。
「まったく、誰のために毎晩遅くまで、俺は苦労してんだか……」