人生終了のお知らせが届きました

幼なじみは、気のおけない仲

 横浜駅から私鉄に乗り15分、東田駅に到着する。駅から徒歩10分の所にある『株式会社ミツミネ』は、従業員は事務所、工場合わせて100人ほどの未上場企業。主に学生服やビジネスユニホームなどの製作販売を手掛けている会社だ。
 そこで働く紗理奈は事務職と言っても、学生服の注文時期には販売窓口も任される会社の何でも屋さん。
 ブラック気味の繁忙期を越えた今の時期は、ひと段落と言ったところで、会社全体がゆるい雰囲気。お給料は安いが、和気あいあいとした感じだ。

「紗理奈、昼ごはん一緒に食べようぜ」

 児童養護施設ひまわり園でも一緒だった佐竹満の声に紗理奈は、作業の手を止め立ち上がった。

「社食でいい?」

「おう、早く行こう」

 紗理奈より2歳年上の満は、職場では先輩に当たる。普段は営業で外に出ている事が多いが、会社に居る時は何かと声を掛けてくれる頼りになる存在だ。
 満に促され、足を運んだ社食は工場の従業員も居て結構にぎわっている。

「オレはA定食にしようかな。紗理奈は何にする? おごるよ」
 
「残念。私、今日はお弁当を作って来たんだ」

「そうか。じゃあ、先に席取っておいて」

「わかった」
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