人生終了のお知らせが届きました
 お酒で熱くなった顔をパタパタと仰ぎながら、紗理奈は満へ話しかけた。

「はー、びっくりした。あんな絡まれ方始めてだった」

 満はバツが悪そうにポリポリと頭を掻きながら、居酒屋の看板を見上げる。

「斎藤さん、ちょっと飲みすぎたみたいだな」

「うん、だいぶ酔っていたね」

 何気なく時計を見ると午後8時半を過ぎたところだ。
 夜の街は、道行く人で賑わっている。帰りを急ぐでもない満と紗理奈は、遠回りをして横浜駅へと向かう。
 すると、満が何かを思いついたように柏手を打つ。

「あ、そうだ。内藤真帆の連絡先聞いてたよな。連絡先はわからなかったけど、酒井が川崎で見かけたって」

「えっ⁉ 川崎のどこかわかる?」

「ちょっと待ってな」

 そう言って、満はスマホを取り出しメッセージを確認する。

「川崎駅東口にある『Club N』って店で働いているらしい」

「……川崎ね」

 思いつめたようにつぶやく紗理奈の様子に、満は不安に駆られる。

「まさか、これから一人で行くつもりじゃあ無いだろうな」

「あ、うん……」

紗理奈の曖昧な返事で、満はピンと来る。

「わかった。紗理奈が行くなら、オレも一緒に行くからな」
 
 
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