人生終了のお知らせが届きました

憧れの人と再会しました

「オマエら、何やってんだ!」

ガチャッとドアが開くなり、部屋に怒声が響き渡った。
声の主を認めると、こわーいお兄サン達は紗理奈からパッと手を離し「マズイ」と顔を見合わせる。
 そして、何事もなかったかのように、腰を90度に曲げ見本のようなお辞儀を始めた。

「あ、社長。お帰りなさいませ」
「お疲れ様です。弁護士の先生もご一緒で……すぐにお茶を用意させます」

 突然、解放された紗理奈は両手を胸の前でクロスさせ、ハアハアと荒くなった呼吸を落ち着かせようと息を深く吐き出した。
まだ、紗理奈は状況を飲み込めずに、乱れた髪はボサボサのまま、キョロキョロと視線を泳がせると二人の人物が部屋に入ってきたのがわかった。
社長と呼ばれたのは、恰幅の良い50代ぐらいの強面の男性で、もうひとり弁護士の先生と呼ばれた人は、20代半ばぐらいの仕立ての良いスーツを着た男性だ。

「なあ、最近はよぉ、お前らがやたらな事をすると俺が捕まるんだ。お客様に手を出すなって言ったよなぁ。わかってんのかっ、 山本!それに深井も!」

「す、すみません」
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