はっきよい! ショコラちゃん~la mignonne petite fille~
「ここのホテル、大浴場もあるみたいなので、ご飯済んだら入ってみませんか?」
利乃は誘ってみる。
「いいねえ。部屋にもお風呂付いてるけど、それじゃワタシ物足りないよ」
「私も大浴場に入るぅ。広いお風呂は最高だよね。梶之助くん達もそっちを利用してみたら?」
秋穂と千代古齢糖は快く乗った。
「光洋、秀平、どうする?」
「入ってみようかな。せっかくあるのだし」
「ボクもそっちに行ってみるよん」
こうして男子三人も利用することに。食事を済ませるとすぐに男湯へと向かっていく。
女の子三人も食事を済ませたあと、女湯へと向かっていった。
女湯脱衣場。
「千代古齢糖さん、腹筋背筋がさらに引き締まったわね」
「ショコラちゃんますます陸上選手みたいな体つきになってるね」
「私は脂肪ももう少し蓄えたいなぁって思ってるよ。ここの湯船、横綱級に広いみたいだからクロールの練習しようっと」
「千代古齢糖さん、ここで泳ぐのは禁止よ。注意書きを見なさい」
「ショコラちゃん、ここではゆったり浸かるのがマナーだよ。泳ぐのはプールでね」
三人とも幼い子どものように、恥ずかしげも無く服を脱いで堂々と裸体をさらけ出し、ハンドタオルは手に持っていた。入浴後に体を拭くためのバスタオルは、千代古齢糖は普段から愛用している逸ノ城のイラストがプリントされたものを持って来ていた。お菓子のプレゼントキャンペーンで当てたもので、光洋の快い協力もあって応募券をたくさん集めることが出来たのだ。
「秋穂ちゃん、おっぱい大きいね。いい体つきしてるし。秋穂ちゃんもお相撲やってみない?」
「やらなーい。絶対怪我するもん。そもそもお相撲は、やんちゃな男の子のするスポーツだよ」
「秋穂ちゃん、それは偏見だよ。お相撲はお淑やかな女の子にも人気のあるスポーツだよ。秋穂ちゃんも鍛えれば絶対強くなれるよ!」
「あんっ! んっ」
秋穂は十五センチくらい背の低い千代古齢糖におっぱいを両手でわし掴みにされ、あっという間に壁際に押し込まれてしまった。
「千代古齢糖さん、やめなさい。秋穂さん嫌がってるわよ」
利乃は優しく注意しながら千代古齢糖に背後から近寄る。
「それっ、小股掬いっ!」
「きゃんっ!」
利乃はステンッと転び床にびたーんと尻餅をついた。さらには足がM字開脚状態になりあられもない姿に。
「利乃ちゃん、足腰もっと鍛えた方がいいよ」
千代古齢糖は片方の手で秋穂を壁に押さえ付けたまま、もう片方の手で利乃の太ももの内側を抱え込み、バランスを崩すという器用な技を繰り出したのだ。
「千代古齢糖さん、動き速すぎ」
利乃はあっと驚く。
「ショコラちゃん、あんまりイタズラしちゃダメだよ」
秋穂は千代古齢糖の両腕をしっかり抱え、宙にふわっと浮かした。さらに左右に振り子のようにぶらんぶらん揺らす。
「あーん、秋穂ちゃぁん。離してぇー。わっ、私、吊り上げられると何にも抵抗出来なくなっちゃうの」
「それが千代古齢糖さんの弱点ね」
利乃はにこっと笑い、千代古齢糖の脇腹をこちょこちょくすぐり始めた。
「りっ、利乃ちゃぁん。やめて、やめてぇ。キャハハハッ。私、くすぐられるのもすごく苦手なんだぁーっ」
「ショコラちゃん、もうお相撲の技掛けちゃダメだよ」
「わっ、分かりましたぁ」
「いい子だね」
千代古齢糖が苦し紛れに返事をすると、秋穂はそっと下ろしてあげた。利乃もくすぐり攻撃を止めてあげる。
「私、女の子としてもちっちゃいから、小学校の頃はよく吊り上げられて一回戦負けしてたよ。それで悔しくて、足腰と瞬発力も鍛えようと思うようになったんだ」
千代古齢糖は照れ笑いしながら打ち明ける。実際、彼女が女相撲大会で準々決勝進出以上の好成績を収められるようになったのは中学以降なのだ。突き押し上手投げ中心の相撲を取っていた小学生の部出場時代は、良くて二回戦止まりだった。(それでも梶之助よりは強かったが)
浴室へ入った三人は、隣り合って洗い場シャワー手前の風呂イスに腰掛ける。出入口に近い側から利乃、秋穂、千代古齢糖という並びだ。
「千代古齢糖さん、まだシャンプーハット卒業してなかったのね。幼稚園児みたいよ」
利乃はくすくす笑う。
「ワタシも、今はさすがに使ってないな」
秋穂は、千代古齢糖の方をちらりと眺めた。
「べつにいいじゃん。目にシャンプーが入らないように安全のためだもん」
千代古齢糖は笑顔で堂々と言い張り、シャンプーを出して髪の毛を擦り始める。
「ショコラちゃん、かわいい! 妹に欲しいよぅ。髪の毛洗うの手伝ってあげよっか?」
秋穂は千代古齢糖のその仕草に、きゅんっ♪ と時めいた。
「それはいい、自分でやるから」
千代古齢糖は頬をポッと赤らめた。
「ショコラちゃんますますかわいいよ。リノちゃんも、眼鏡外したお顔かわいいね」
今度は利乃の方を振り向く。
「あっ、ありがとう、秋穂さん。あの、秋穂さんは来月からの水泳の授業、楽しみにしていますか?」
「うーん、どちらとも言えないよ。プールで遊ぶのは楽しいんだけど、泳ぐとなると。ワタシまだクロール五〇メートル泳ぎ切れたことがないし。絶対途中で足付いちゃう」
「わたしも同じ。高校生になったし、今年はなんとしても泳ぎ切りたいなぁ。泳ぎ切れなかったら、夏休み補習に呼ばれるらしいので」
「そうなの? 淳高は勉強だけじゃなく体育も厳しいんだね。ワタシも頑張らなきゃ」
「千代古齢糖さんはクロール二キロ以上ノンストップで泳げるみたいなので羨ましいです」
秋穂と利乃が小声でおしゃべりしながら体を洗い流している最中、
「それーっ!」
千代古齢糖のはしゃぎ声と共に、ザブーッンと飛沫が上がる。なんと、前方宙返りを見事に決めて湯船に足から勢いよく飛び込んだのだ。さらに犬掻きのような泳ぎをし始めた。
「ショコラちゃん、はしゃぎ過ぎだよ」
「千代古齢糖さん、小学校低学年の子みたいね」
秋穂と利乃は湯船の方を振り向き、微笑ましく眺める。
「周りのお客様に迷惑かけちゃダメだよ」
体を洗い終えると秋穂は再度千代古齢糖に注意して、湯船に静かに浸かった。
「ちょうどいい湯加減だし、広くて最高♪ わたし、お風呂大好きなの。夏は朝と学校から帰ってからと、夜の一日三回入ってるよ」
利乃も同じようにして浸かると、湯船に足を伸ばしてゆったりくつろぎながら、嬉しそうに語る。
「リノちゃん、し○かちゃん並だね。でもあんまり入り過ぎるとお肌ふやけちゃうよ」
秋穂はにっこり微笑んだ。
「そういえば梶之助さん、背がけっこう伸びたよね。去年の二学期頃までは、わたしより低かったような。中学の間に二〇センチくらいは伸びてると思う」
「私も中一の終わり頃に梶之助くんに背、追い抜かれちゃったよ。秀ちゃんも中学入りたての頃は私と同じくらいだったし」
「ワタシもシュウちゃんにいつの間にか追い抜かれてたな。やっぱ男の子は中学でぐんぐん伸びるよね。ところで明日はどこを観光する? ワタシ、上野動物園へ行きたいな」
利乃は誘ってみる。
「いいねえ。部屋にもお風呂付いてるけど、それじゃワタシ物足りないよ」
「私も大浴場に入るぅ。広いお風呂は最高だよね。梶之助くん達もそっちを利用してみたら?」
秋穂と千代古齢糖は快く乗った。
「光洋、秀平、どうする?」
「入ってみようかな。せっかくあるのだし」
「ボクもそっちに行ってみるよん」
こうして男子三人も利用することに。食事を済ませるとすぐに男湯へと向かっていく。
女の子三人も食事を済ませたあと、女湯へと向かっていった。
女湯脱衣場。
「千代古齢糖さん、腹筋背筋がさらに引き締まったわね」
「ショコラちゃんますます陸上選手みたいな体つきになってるね」
「私は脂肪ももう少し蓄えたいなぁって思ってるよ。ここの湯船、横綱級に広いみたいだからクロールの練習しようっと」
「千代古齢糖さん、ここで泳ぐのは禁止よ。注意書きを見なさい」
「ショコラちゃん、ここではゆったり浸かるのがマナーだよ。泳ぐのはプールでね」
三人とも幼い子どものように、恥ずかしげも無く服を脱いで堂々と裸体をさらけ出し、ハンドタオルは手に持っていた。入浴後に体を拭くためのバスタオルは、千代古齢糖は普段から愛用している逸ノ城のイラストがプリントされたものを持って来ていた。お菓子のプレゼントキャンペーンで当てたもので、光洋の快い協力もあって応募券をたくさん集めることが出来たのだ。
「秋穂ちゃん、おっぱい大きいね。いい体つきしてるし。秋穂ちゃんもお相撲やってみない?」
「やらなーい。絶対怪我するもん。そもそもお相撲は、やんちゃな男の子のするスポーツだよ」
「秋穂ちゃん、それは偏見だよ。お相撲はお淑やかな女の子にも人気のあるスポーツだよ。秋穂ちゃんも鍛えれば絶対強くなれるよ!」
「あんっ! んっ」
秋穂は十五センチくらい背の低い千代古齢糖におっぱいを両手でわし掴みにされ、あっという間に壁際に押し込まれてしまった。
「千代古齢糖さん、やめなさい。秋穂さん嫌がってるわよ」
利乃は優しく注意しながら千代古齢糖に背後から近寄る。
「それっ、小股掬いっ!」
「きゃんっ!」
利乃はステンッと転び床にびたーんと尻餅をついた。さらには足がM字開脚状態になりあられもない姿に。
「利乃ちゃん、足腰もっと鍛えた方がいいよ」
千代古齢糖は片方の手で秋穂を壁に押さえ付けたまま、もう片方の手で利乃の太ももの内側を抱え込み、バランスを崩すという器用な技を繰り出したのだ。
「千代古齢糖さん、動き速すぎ」
利乃はあっと驚く。
「ショコラちゃん、あんまりイタズラしちゃダメだよ」
秋穂は千代古齢糖の両腕をしっかり抱え、宙にふわっと浮かした。さらに左右に振り子のようにぶらんぶらん揺らす。
「あーん、秋穂ちゃぁん。離してぇー。わっ、私、吊り上げられると何にも抵抗出来なくなっちゃうの」
「それが千代古齢糖さんの弱点ね」
利乃はにこっと笑い、千代古齢糖の脇腹をこちょこちょくすぐり始めた。
「りっ、利乃ちゃぁん。やめて、やめてぇ。キャハハハッ。私、くすぐられるのもすごく苦手なんだぁーっ」
「ショコラちゃん、もうお相撲の技掛けちゃダメだよ」
「わっ、分かりましたぁ」
「いい子だね」
千代古齢糖が苦し紛れに返事をすると、秋穂はそっと下ろしてあげた。利乃もくすぐり攻撃を止めてあげる。
「私、女の子としてもちっちゃいから、小学校の頃はよく吊り上げられて一回戦負けしてたよ。それで悔しくて、足腰と瞬発力も鍛えようと思うようになったんだ」
千代古齢糖は照れ笑いしながら打ち明ける。実際、彼女が女相撲大会で準々決勝進出以上の好成績を収められるようになったのは中学以降なのだ。突き押し上手投げ中心の相撲を取っていた小学生の部出場時代は、良くて二回戦止まりだった。(それでも梶之助よりは強かったが)
浴室へ入った三人は、隣り合って洗い場シャワー手前の風呂イスに腰掛ける。出入口に近い側から利乃、秋穂、千代古齢糖という並びだ。
「千代古齢糖さん、まだシャンプーハット卒業してなかったのね。幼稚園児みたいよ」
利乃はくすくす笑う。
「ワタシも、今はさすがに使ってないな」
秋穂は、千代古齢糖の方をちらりと眺めた。
「べつにいいじゃん。目にシャンプーが入らないように安全のためだもん」
千代古齢糖は笑顔で堂々と言い張り、シャンプーを出して髪の毛を擦り始める。
「ショコラちゃん、かわいい! 妹に欲しいよぅ。髪の毛洗うの手伝ってあげよっか?」
秋穂は千代古齢糖のその仕草に、きゅんっ♪ と時めいた。
「それはいい、自分でやるから」
千代古齢糖は頬をポッと赤らめた。
「ショコラちゃんますますかわいいよ。リノちゃんも、眼鏡外したお顔かわいいね」
今度は利乃の方を振り向く。
「あっ、ありがとう、秋穂さん。あの、秋穂さんは来月からの水泳の授業、楽しみにしていますか?」
「うーん、どちらとも言えないよ。プールで遊ぶのは楽しいんだけど、泳ぐとなると。ワタシまだクロール五〇メートル泳ぎ切れたことがないし。絶対途中で足付いちゃう」
「わたしも同じ。高校生になったし、今年はなんとしても泳ぎ切りたいなぁ。泳ぎ切れなかったら、夏休み補習に呼ばれるらしいので」
「そうなの? 淳高は勉強だけじゃなく体育も厳しいんだね。ワタシも頑張らなきゃ」
「千代古齢糖さんはクロール二キロ以上ノンストップで泳げるみたいなので羨ましいです」
秋穂と利乃が小声でおしゃべりしながら体を洗い流している最中、
「それーっ!」
千代古齢糖のはしゃぎ声と共に、ザブーッンと飛沫が上がる。なんと、前方宙返りを見事に決めて湯船に足から勢いよく飛び込んだのだ。さらに犬掻きのような泳ぎをし始めた。
「ショコラちゃん、はしゃぎ過ぎだよ」
「千代古齢糖さん、小学校低学年の子みたいね」
秋穂と利乃は湯船の方を振り向き、微笑ましく眺める。
「周りのお客様に迷惑かけちゃダメだよ」
体を洗い終えると秋穂は再度千代古齢糖に注意して、湯船に静かに浸かった。
「ちょうどいい湯加減だし、広くて最高♪ わたし、お風呂大好きなの。夏は朝と学校から帰ってからと、夜の一日三回入ってるよ」
利乃も同じようにして浸かると、湯船に足を伸ばしてゆったりくつろぎながら、嬉しそうに語る。
「リノちゃん、し○かちゃん並だね。でもあんまり入り過ぎるとお肌ふやけちゃうよ」
秋穂はにっこり微笑んだ。
「そういえば梶之助さん、背がけっこう伸びたよね。去年の二学期頃までは、わたしより低かったような。中学の間に二〇センチくらいは伸びてると思う」
「私も中一の終わり頃に梶之助くんに背、追い抜かれちゃったよ。秀ちゃんも中学入りたての頃は私と同じくらいだったし」
「ワタシもシュウちゃんにいつの間にか追い抜かれてたな。やっぱ男の子は中学でぐんぐん伸びるよね。ところで明日はどこを観光する? ワタシ、上野動物園へ行きたいな」