お嬢様は“いけないコト”がしたい
それに気付きながら、私は右手で持っていたタオルハンカチを幸治君に渡す。
「・・・いや、俺があげたハンカチの意味!!
今が1番使うタイミングでしたよね!?」
「ハンカチ持ってるのを忘れてたよ。」
「ハンカチがあるのに使わないとか、俺マジでお嬢様とか無理。」
幸治君が昔と同じような顔で文句を言って、私が渡したタオルハンカチで手を拭っている。
そしてそのハンカチを私に返してきて、昔と同じような顔のまま私に言った。
「羽鳥さんが満足するまで“いけないコト”に付き合いますけど、羽鳥さんのことを好きになることは絶対にないので。」
そう言われ・・・
私は小さく笑いながら頷き、幸治君からプレゼントして貰ったタオルハンカチをまた受け取った。
そしたら・・・
そのタオルハンカチの中に何かが入っていて・・・
タオルハンカチを広げてみると、鍵が・・・。
「それ、合鍵です。
俺はいつでも大丈夫なので。」
タオルハンカチの上にある鍵を眺めながら固まる。
固まりながら幸治君の言葉を聞く。
「待ってますから。
俺、ずっと待ってますから。
今度は“中華料理屋 安部”ではなくて、さっきの部屋でずっと羽鳥さんが来るのを待ってます。」
その言葉を聞き・・・
私は小さくだけど、頷いた。
私の視界の中にあの部屋の鍵が加わったのを眺めながら。
そして顔を上げて幸治君を見る。
真っ直ぐと、幸治君のことを見る。
「ずっと待たなくていいよ。」
揺れる瞳で私を見下ろす幸治君に言う。
「明日土曜日だからすぐに引っ越してくるから。」
「明日・・・?
でも、引っ越しって・・・。」
「私はお嬢様だからね、そんなのはどうにでも出来る。」
「うわ~・・・俺、マジでお嬢様とか無理。」
それには大きく笑って、タオルハンカチと鍵を胸の前で抱き締めた。
「・・・いや、俺があげたハンカチの意味!!
今が1番使うタイミングでしたよね!?」
「ハンカチ持ってるのを忘れてたよ。」
「ハンカチがあるのに使わないとか、俺マジでお嬢様とか無理。」
幸治君が昔と同じような顔で文句を言って、私が渡したタオルハンカチで手を拭っている。
そしてそのハンカチを私に返してきて、昔と同じような顔のまま私に言った。
「羽鳥さんが満足するまで“いけないコト”に付き合いますけど、羽鳥さんのことを好きになることは絶対にないので。」
そう言われ・・・
私は小さく笑いながら頷き、幸治君からプレゼントして貰ったタオルハンカチをまた受け取った。
そしたら・・・
そのタオルハンカチの中に何かが入っていて・・・
タオルハンカチを広げてみると、鍵が・・・。
「それ、合鍵です。
俺はいつでも大丈夫なので。」
タオルハンカチの上にある鍵を眺めながら固まる。
固まりながら幸治君の言葉を聞く。
「待ってますから。
俺、ずっと待ってますから。
今度は“中華料理屋 安部”ではなくて、さっきの部屋でずっと羽鳥さんが来るのを待ってます。」
その言葉を聞き・・・
私は小さくだけど、頷いた。
私の視界の中にあの部屋の鍵が加わったのを眺めながら。
そして顔を上げて幸治君を見る。
真っ直ぐと、幸治君のことを見る。
「ずっと待たなくていいよ。」
揺れる瞳で私を見下ろす幸治君に言う。
「明日土曜日だからすぐに引っ越してくるから。」
「明日・・・?
でも、引っ越しって・・・。」
「私はお嬢様だからね、そんなのはどうにでも出来る。」
「うわ~・・・俺、マジでお嬢様とか無理。」
それには大きく笑って、タオルハンカチと鍵を胸の前で抱き締めた。