お嬢様は“いけないコト”がしたい
その言葉にも驚き固まる。



「会社?を立ち上げる人から誘われて、上手くいくかは分からないギャンブルをしたの。
結果、上手くいったみたいでよかった。
借金はあるから会う度に文句は言ってるけど。」



「・・・上手くいったのに借金があるの?
私、家賃とか生活費とか渡してないけど大丈夫なのかな・・・。」



「それは全然余裕でしょ!!
コウ君、今めちゃくちゃ稼いでるし!!」



「めちゃくちゃ稼いでるのに借金があるの?」



「うん、なんかね~・・・勉強のお金?みたいな。」



「そうなんだ・・・。」



全然よく分からないけれどそう返事をすると、幸治君の妹は大きく笑い出した。



「お姉さんが“ハンカチの人”だったんだ!?
確かに、“ここら辺にはいない美人なお姉さん”だね!!
コウ君、ずっと好きだった人と同棲出来て良かった~!!」



「ずっとではないけどね、昔は私のことを異性として好きでいてくれたみたい。」



「じゃあ、また会えて好きになったみたいな感じかな!!
これ、お姉さんに返すね。」



そう言って少し悲しそうに私にタオルハンカチを渡してきた幸治君の妹。
そんな幸治君の妹に首を横に振る。



「それは私が幸治君の3月10日の誕生日にプレゼントした物なの。」



「そうなの・・・?
じゃあコウ君に返さないと。
私はもう帰るから、コウ君が帰ったら渡してくれる?」



私にタオルハンカチを差し出しながらそう言ってきて、私はそれを受け取りながら答える。



そしたら、受け取ったハンカチと一緒に鍵があるのに気付いた。
幸治君と同じようなことをしてきた幸治君の妹に自然と笑顔になる。



「うん、分かった。」



「“欲しいみたいな感じで騒いでごめんね”っていう伝言もお願いします。」



「うん。」



私の返事に安心した笑顔で笑い、幸治君の1番下の妹は部屋から上機嫌に出ていった。
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