お嬢様は“いけないコト”がしたい
私の隣のお客さんがそう言うと、私のすぐ隣から幸治君の声が。
「あ、土曜日ですけどいらしてたんですね。
いただいたメールの返信、明日の午前中には送りますので。」
「うん、悪いね休みの日に。」
「休みの日があることに慣れていないくらいなので大丈夫です。
休みの日でもやることがなくて結局仕事をしたり勉強をしてたので。」
「いつ寝てるのか分からないくらい、安部さんって所長さんに振り回されていたからね。
でも今はデートする時間まで作れるようになって良かったね?」
「いえ、これはデートではなくて。
この人の買い物に付き合ってるだけでして。」
幸治君がそう言ってから私に視線を移してきた。
「ここの店を教えてくれたお客さんで。」
「そうだったんですね、ありがとうございます。」
「いえいえ、じゃあ僕は食べ終わったのでもう出ますね。
2人のお邪魔にもなるので。」
「だから、そういうのではないので。」
幸治君が少し強めに言うと、男の人は楽しそうに笑いながら立ち上がった。
「所長さんには秘密にしておくから大丈夫だよ。」
「いえ、所長にも言ってありますのでそこは大丈夫です。」
「言ってあるの・・・?
まあ・・・あの所長さん、ご自身も恋愛遍歴多いだろうし、そういうのは言いやすいかもね。」
「恋愛とかそういうのではなく、何に関しても秘密にしていることが後で知られたらもっと煩くて面倒でヤバいことにもなる人なので。」
「あの所長さん?そういう感じなの?」
男の人が驚きながらお財布を取り出し、カウンターの前の台にお金を置いた。
「所長さんって全てにおいて完璧以上に完璧な人だからね。
人ってそういう一面もあるものなんだね。」
男の人がそう言って私達にお辞儀をして背中を向けた後、幸治君も私も急ぐようにとんかつを口に入れた。
そしたら、もう・・・
“美味しい”とも口から出ないくらいの美味しさで。
幸治君も私も他のお客さん達と同じように黙々と食べ続けた。
幸治君だけではなく私も白米をお代わりするくらい、食べ続けた。
“”このお店のとんかつだからこんなに美味しいのかな?”と思いながら・・・。
“でも、昨日も一昨日も、自分が作ったご飯だったけど美味しかったな”と思いながら・・・。
“幸治君と一緒にご飯を食べると、こんなにご飯が美味しいものなんだな”と、なんでかそんなことを思いながら・・・。
「あ、土曜日ですけどいらしてたんですね。
いただいたメールの返信、明日の午前中には送りますので。」
「うん、悪いね休みの日に。」
「休みの日があることに慣れていないくらいなので大丈夫です。
休みの日でもやることがなくて結局仕事をしたり勉強をしてたので。」
「いつ寝てるのか分からないくらい、安部さんって所長さんに振り回されていたからね。
でも今はデートする時間まで作れるようになって良かったね?」
「いえ、これはデートではなくて。
この人の買い物に付き合ってるだけでして。」
幸治君がそう言ってから私に視線を移してきた。
「ここの店を教えてくれたお客さんで。」
「そうだったんですね、ありがとうございます。」
「いえいえ、じゃあ僕は食べ終わったのでもう出ますね。
2人のお邪魔にもなるので。」
「だから、そういうのではないので。」
幸治君が少し強めに言うと、男の人は楽しそうに笑いながら立ち上がった。
「所長さんには秘密にしておくから大丈夫だよ。」
「いえ、所長にも言ってありますのでそこは大丈夫です。」
「言ってあるの・・・?
まあ・・・あの所長さん、ご自身も恋愛遍歴多いだろうし、そういうのは言いやすいかもね。」
「恋愛とかそういうのではなく、何に関しても秘密にしていることが後で知られたらもっと煩くて面倒でヤバいことにもなる人なので。」
「あの所長さん?そういう感じなの?」
男の人が驚きながらお財布を取り出し、カウンターの前の台にお金を置いた。
「所長さんって全てにおいて完璧以上に完璧な人だからね。
人ってそういう一面もあるものなんだね。」
男の人がそう言って私達にお辞儀をして背中を向けた後、幸治君も私も急ぐようにとんかつを口に入れた。
そしたら、もう・・・
“美味しい”とも口から出ないくらいの美味しさで。
幸治君も私も他のお客さん達と同じように黙々と食べ続けた。
幸治君だけではなく私も白米をお代わりするくらい、食べ続けた。
“”このお店のとんかつだからこんなに美味しいのかな?”と思いながら・・・。
“でも、昨日も一昨日も、自分が作ったご飯だったけど美味しかったな”と思いながら・・・。
“幸治君と一緒にご飯を食べると、こんなにご飯が美味しいものなんだな”と、なんでかそんなことを思いながら・・・。