お嬢様は“いけないコト”がしたい
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私の部屋、昨晩はカーテンを閉める余裕もなかったので眩しい室内。
何でか昨日の朝よりも違って見える天井。
日の光りが入っているから違うのはその通りなんだろうけれど、それでもやけに違って見えた。
そして、気付く。
私の胃があるであろう所、そこには幸治君の大きな手がのせられている。
その大きな手から熱も感じ、幸せな温かさに自然と笑顔になりながら少しだけ身動きを取った。
そしたら・・・
幸治君の手が優しく私のお腹を撫でて。
その動きにより、昨晩は幸治君が付きっきりで私の傍にいてくれたことも思い出す。
吐き気が治まった私のワンピースを脱がせてくれ、私のことを洗面所に連れていき顔を綺麗にしてくれ、汚れたワンピースの汚れも取ってくれ、新品のティーシャツまで私に着せてくれた。
その新品のティーシャツを見たくて、私は掛けられていた布団を少しだけ捲る。
そしたら、見えた。
紺色のティーシャツが。
そしてそこに書かれている文字が。
“中華料理屋 安部”と書かれている文字が。
幸治君が出してくれたのは“勿体無いから”という理由で残してあったという、新品の“中華料理屋 安部”のティーシャツだった。
そのティーシャツの上に置かれている幸治君の大きな手も見て、お腹が痛くて唸る度に優しく撫で続けてくれていた幸治君の存在も思い出す。
お母さんとお父さんではなく、幸治君がずっと私の傍にいてくれた。
だから苦しいけれど不安でも怖くもなかった。
苦しい中でも凄く安心は出来ていた。
私の身体に身体を寄せるように横になっている幸治君。
また少しだけ身体を動かし、幸治君の胸の中に身体を向かい合うように寄せた。
「・・・ん、おはようございます。」
「おはよう。
昨晩は本当にごめんね・・・そして、ありがとう。」
「いえ、全然大丈夫です。
俺少し前までヤバいことをさせられてた日常だったので。
羽鳥さんの隣で横になってお腹を撫でてるだけとか、ただの幸せな時間でしかなかったです。
お腹はもう大丈夫ですか?」
「うん、お陰様でもう大丈夫。」
「今日は念のためお腹に優しい物を食べた方がいいですね。
俺が作りますよ。」
「え!?幸治君が作るご飯!?
醤油ラーメン!?」
「・・・あの醤油ラーメンは家では無理ですからね?
お粥とおかずを少し。
胃もたれをした翌朝にラーメンとか、31のお腹にこれ以上無理させられないですって。」
「酷~い・・・相変わらず失礼。」
そう文句を言った後、すぐ目の前にある幸治君の顔を見上げながら言った。
「このティーシャツ、貰ってもいい?」
「いいですけど・・・羽鳥さんってマジで“中華料理屋 安部”が大好きですよね。」
「うん、大好きだったみたい・・・。
私、“中華料理屋 安部”が凄く凄く好きだったみたい。」
「そんなの昔から言っていましたし、見てるだけでも分かってましたし、なんなら他の常連さん達も知っていたじゃないですか。」
「それはそうだけど・・・っ!!
でも、改めて分かったの・・・!!
私、“中華料理屋 安部”のことが異性として好きだったの!!」
「だからそんなのみんな知ってたじゃないですか。
お嬢様の羽鳥さんだけですよ、頑なに認めなかったのは。
“中華料理屋 安部”のことが異性としても大好きすぎて、最後の方は2人になると俺にエロいことばっかり聞いてきたり話してきたりしたじゃないですか。」
幸治君が意地悪な顔で私のことを見詰めてきた。
「お嬢様はムッツリスケベらしいですからね。」
そう言われ、私は少しムッとしながら右手を幸治君の“いけないトコロ”に伸ばした。
「幸治君だって朝からこんなことになってるよ?」
「男ならこれは“普通”ですね。」
「じゃあ、“普通の幸治君”、付き合ってくれる?」
「何ですか?」
「身体が気持ち悪いからお風呂に入りたい。」
「今沸かしてきます。」
「うん、お風呂が沸いたら私がお風呂に入るのに付き合って?」
.
私の部屋、昨晩はカーテンを閉める余裕もなかったので眩しい室内。
何でか昨日の朝よりも違って見える天井。
日の光りが入っているから違うのはその通りなんだろうけれど、それでもやけに違って見えた。
そして、気付く。
私の胃があるであろう所、そこには幸治君の大きな手がのせられている。
その大きな手から熱も感じ、幸せな温かさに自然と笑顔になりながら少しだけ身動きを取った。
そしたら・・・
幸治君の手が優しく私のお腹を撫でて。
その動きにより、昨晩は幸治君が付きっきりで私の傍にいてくれたことも思い出す。
吐き気が治まった私のワンピースを脱がせてくれ、私のことを洗面所に連れていき顔を綺麗にしてくれ、汚れたワンピースの汚れも取ってくれ、新品のティーシャツまで私に着せてくれた。
その新品のティーシャツを見たくて、私は掛けられていた布団を少しだけ捲る。
そしたら、見えた。
紺色のティーシャツが。
そしてそこに書かれている文字が。
“中華料理屋 安部”と書かれている文字が。
幸治君が出してくれたのは“勿体無いから”という理由で残してあったという、新品の“中華料理屋 安部”のティーシャツだった。
そのティーシャツの上に置かれている幸治君の大きな手も見て、お腹が痛くて唸る度に優しく撫で続けてくれていた幸治君の存在も思い出す。
お母さんとお父さんではなく、幸治君がずっと私の傍にいてくれた。
だから苦しいけれど不安でも怖くもなかった。
苦しい中でも凄く安心は出来ていた。
私の身体に身体を寄せるように横になっている幸治君。
また少しだけ身体を動かし、幸治君の胸の中に身体を向かい合うように寄せた。
「・・・ん、おはようございます。」
「おはよう。
昨晩は本当にごめんね・・・そして、ありがとう。」
「いえ、全然大丈夫です。
俺少し前までヤバいことをさせられてた日常だったので。
羽鳥さんの隣で横になってお腹を撫でてるだけとか、ただの幸せな時間でしかなかったです。
お腹はもう大丈夫ですか?」
「うん、お陰様でもう大丈夫。」
「今日は念のためお腹に優しい物を食べた方がいいですね。
俺が作りますよ。」
「え!?幸治君が作るご飯!?
醤油ラーメン!?」
「・・・あの醤油ラーメンは家では無理ですからね?
お粥とおかずを少し。
胃もたれをした翌朝にラーメンとか、31のお腹にこれ以上無理させられないですって。」
「酷~い・・・相変わらず失礼。」
そう文句を言った後、すぐ目の前にある幸治君の顔を見上げながら言った。
「このティーシャツ、貰ってもいい?」
「いいですけど・・・羽鳥さんってマジで“中華料理屋 安部”が大好きですよね。」
「うん、大好きだったみたい・・・。
私、“中華料理屋 安部”が凄く凄く好きだったみたい。」
「そんなの昔から言っていましたし、見てるだけでも分かってましたし、なんなら他の常連さん達も知っていたじゃないですか。」
「それはそうだけど・・・っ!!
でも、改めて分かったの・・・!!
私、“中華料理屋 安部”のことが異性として好きだったの!!」
「だからそんなのみんな知ってたじゃないですか。
お嬢様の羽鳥さんだけですよ、頑なに認めなかったのは。
“中華料理屋 安部”のことが異性としても大好きすぎて、最後の方は2人になると俺にエロいことばっかり聞いてきたり話してきたりしたじゃないですか。」
幸治君が意地悪な顔で私のことを見詰めてきた。
「お嬢様はムッツリスケベらしいですからね。」
そう言われ、私は少しムッとしながら右手を幸治君の“いけないトコロ”に伸ばした。
「幸治君だって朝からこんなことになってるよ?」
「男ならこれは“普通”ですね。」
「じゃあ、“普通の幸治君”、付き合ってくれる?」
「何ですか?」
「身体が気持ち悪いからお風呂に入りたい。」
「今沸かしてきます。」
「うん、お風呂が沸いたら私がお風呂に入るのに付き合って?」
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