お嬢様は“いけないコト”がしたい
─────────────・・・・






「・・・そろそろ・・・出ないとですね・・・っ」




「それ・・・ハァッ・・・何回目・・・?」




何度聞いたか分からない言葉を幸治君がまた言ってくる。
なのにやっぱりまだ私の舌を堪能するかのように食べ続けてくる。
すっかり力が入らなくなってしまった私の舌・・・。



そして・・・



「も・・・ダメ・・・」



なんだか腰が抜けてしまって、必死に幸治君にしがみついていたけれど、身体が下へと落ちていく。



そんな私の身体を幸治君が支えながら床に座らせ・・・



「こうじく・・・も、やめて・・・っ」



床に座った私にまだ深いキスを続けてくる。



「すみませ・・・ハァッ・・・止まんなくて・・・」



「胸の時も・・・そう言ってずっと触ってくるよね・・・」



この数日、毎日のように気持ち良い“いけないコト”をしているけれど、驚くくらい長い時間幸治君は私の胸を触ったり舐めたりする。



そして、私は・・・



「・・・ぁ、一美さん・・・っ」



なんだか“何か”が我慢出来なくなり、幸治君の“いけないトコロ”を触ってしまう。



「それされると・・・俺1回じゃ終われなくなるから・・・」



「何回ピュッてしてもいいよ・・・?」



「でも、時間・・・」



私にキスを続けたまま幸治君が腕時計を見て・・・



「先に・・・買い物行って・・・また帰ったらしていいですか・・・?」



「うん・・・。」



私の返事を聞いた幸治君はゆっくりと私の舌を離し、最後に唇をチュ─────...として、私の唇からも離れた。



「唇・・・ヒリヒリする。」



「俺も。」



「あと・・・私の“いけないトコロ”、もうダメだよ・・・。」



「一美さんの“いけないトコロ”を触ったら、俺絶対に最後までしちゃうから・・・。」



「“普通の一美さん”の旦那さんになったんだから、最後までしていいのに・・・。」



幸治君は私の身体からスッと離れ、苦しそうな顔で立ち上がり笑った。



「一美さんが満足したら離婚することが分かってるのに、それは流石に無理ですね。」



そう言って、「いて・・・っ」と幸治君の“いけないトコロ”を押さえている。



私も素早く立ち上がり幸治君をすぐ近くで見上げた。



「新婚なのにセックスレスとか、私はそっちの方が無理だよ。
セックスレスの結婚生活とか全然満足出来ない。」



「・・・そうきたか。」



幸治君は困った顔をしながらも笑っている。



「私このままだといつまでも満足出来ないから、ずっと離婚が出来ないままだよ?」



私の言葉に幸治君の瞳が揺れている。



そして・・・



「じゃあ、ずっとセックスレスのまま結婚生活を続けますか?」



揺れる瞳のまま、そう言ってきた。
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