仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
「なにこのメモ、最後に主人公がフラれるとしか書いてない」
読んでみても一行しか書いてなくて、私が文句を言うとお姉ちゃんは「それはごめん」と謝った。
「何を書こうとしたか記憶消されちゃってて覚えてないんだけど、主人公がフラれるらしいの。で、その後がどうなるかなんだよね」
顎に手をあてて、名探偵が推理するときみたいな仕草をするお姉ちゃん。
そのまま学園推理もののドラマに出てもおかしくないよ。
「私、告白したこともフラれたこともないから分かんないよ?」
人を好きになったことも恋愛もしたことない。
ちなみに告白されたこともフッたこともない。
そこで、はたと思いついた。
「お姉ちゃん、ちょっとフってみてくれる?」
いまのお姉ちゃんだったら、異性からフラれる気持ちを体験出来るんじゃないかって考えて、お姉ちゃんにお願いしてみた。
それなのに、お姉ちゃんは私の顔を見て、固まっていた。
それも、少し驚いたような顔をして。
「どうしたの?」
私、何か悪いこと言ったかな、って心配になる。