仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
◆ ◆ ◆
「お姉ちゃん、好み変わったの?」
「んー、なんだろう、思ってたのと違った、みたいな」
このいまの見た目で博物館って似合わないな、と思ってたけど、中身の好みも変わったみたい。博物館の展示はあっさり見終わっちゃって、お姉ちゃんは嬉しそうでもなんでもなかった。
前のお姉ちゃんは何でも資料になるとか言って、目をキラキラさせてたんだけど、いまキラキラしてるのは顔面とオーラだもんね。
「そういえば、小学校の低学年のとき、お父さんによく連れていってもらった公園あるじゃん?」
突然、足を止めて、お姉ちゃんが思い出したように言った。
急にどうしたのだろうと、思う。
「交通公園?」
たしかに私の記憶の中にも、その公園は存在してる。
何度もお父さんに車で連れていってもらったっけ。
「そう、あそこで自転車乗る練習したよね。それに、いっつもAちゃん、恐竜の遊具、怖がってて」
クスクスと笑って細められた目が私を見る。
「だって、大きいし、顔が怖いんだもん」
私たちは同じくらい自転車に乗れなかったけど、恐竜だけは私だけが怖がっていた。
お姉ちゃんは恐竜の背中につけられた網をどんどん登っていって、天辺で片腕を上げたときにはまるで勇者か、新たな宝を見つけた冒険者みたいだった。
「あれって、まだあるのかな?」
「え?」
お姉ちゃんはまた突拍子もないことを考えている気がする。
「行ってみよう」
ほら、始まった。自由人すぎる。
お姉ちゃんは私と手を繋いだまま、「見てみたいんだ」と言った。
「お姉ちゃん、好み変わったの?」
「んー、なんだろう、思ってたのと違った、みたいな」
このいまの見た目で博物館って似合わないな、と思ってたけど、中身の好みも変わったみたい。博物館の展示はあっさり見終わっちゃって、お姉ちゃんは嬉しそうでもなんでもなかった。
前のお姉ちゃんは何でも資料になるとか言って、目をキラキラさせてたんだけど、いまキラキラしてるのは顔面とオーラだもんね。
「そういえば、小学校の低学年のとき、お父さんによく連れていってもらった公園あるじゃん?」
突然、足を止めて、お姉ちゃんが思い出したように言った。
急にどうしたのだろうと、思う。
「交通公園?」
たしかに私の記憶の中にも、その公園は存在してる。
何度もお父さんに車で連れていってもらったっけ。
「そう、あそこで自転車乗る練習したよね。それに、いっつもAちゃん、恐竜の遊具、怖がってて」
クスクスと笑って細められた目が私を見る。
「だって、大きいし、顔が怖いんだもん」
私たちは同じくらい自転車に乗れなかったけど、恐竜だけは私だけが怖がっていた。
お姉ちゃんは恐竜の背中につけられた網をどんどん登っていって、天辺で片腕を上げたときにはまるで勇者か、新たな宝を見つけた冒険者みたいだった。
「あれって、まだあるのかな?」
「え?」
お姉ちゃんはまた突拍子もないことを考えている気がする。
「行ってみよう」
ほら、始まった。自由人すぎる。
お姉ちゃんは私と手を繋いだまま、「見てみたいんだ」と言った。