仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
◆ ◆ ◆
ドキドキした気持ちで校門まで行くと、そこに颯馬くんは立っていた。
変わらない立ち姿、何かを考えるような憂いの瞳。
周りからヒソヒソ、キャーキャー言われてるのにまったく気にしてない様子。
今日もその存在がまぶしい。
「颯馬くん」
声をかけようか、自然と前を通って気付いてもらおうか、そう悩んだけど、もしかしたら、今日は私ちょっと違うから気付いてもらえないかも、と思って私から声をかけた。
「お、Aちゃん、おつか――」
笑顔で横を向いた颯馬くんが、私を見て、表情を失った。
「なにそれ」
その言葉で私も固まる。冷や汗が出てきた。
――すごく見てるし、もしかして、怒ってる? そんな格好するな、とか言われ……
「すごい可愛いじゃん。いや、いつも可愛いけど、どうしたの?」
満面の笑みでふわりと巻いた髪を一房手に取られて、ドキリとする。
「クラスの子が勝手に……」
たぶん、私のことおもちゃだと思ってるけど、やってくれたんだよね。
進藤さんたち、私とは住む世界が違うようなキラキラした人たちだけど、悪い人たちじゃないのかも。彼女たちは頭もいいし。
「やってくれた」
恥ずかしくて、視線を逸らしながら付け足す。
颯馬くん、いつまで私の髪、見てるんだろう。
そう思っていたら
「そっか。Aちゃん、一人じゃないんだ」
ニコッと優しく笑った瞳と視線が合った。
まるで私がいつも教室で一人だと思ってて心配してたみたい。
間違ってないけど。
「私にだって、友達くらい……」
ドキドキした気持ちで校門まで行くと、そこに颯馬くんは立っていた。
変わらない立ち姿、何かを考えるような憂いの瞳。
周りからヒソヒソ、キャーキャー言われてるのにまったく気にしてない様子。
今日もその存在がまぶしい。
「颯馬くん」
声をかけようか、自然と前を通って気付いてもらおうか、そう悩んだけど、もしかしたら、今日は私ちょっと違うから気付いてもらえないかも、と思って私から声をかけた。
「お、Aちゃん、おつか――」
笑顔で横を向いた颯馬くんが、私を見て、表情を失った。
「なにそれ」
その言葉で私も固まる。冷や汗が出てきた。
――すごく見てるし、もしかして、怒ってる? そんな格好するな、とか言われ……
「すごい可愛いじゃん。いや、いつも可愛いけど、どうしたの?」
満面の笑みでふわりと巻いた髪を一房手に取られて、ドキリとする。
「クラスの子が勝手に……」
たぶん、私のことおもちゃだと思ってるけど、やってくれたんだよね。
進藤さんたち、私とは住む世界が違うようなキラキラした人たちだけど、悪い人たちじゃないのかも。彼女たちは頭もいいし。
「やってくれた」
恥ずかしくて、視線を逸らしながら付け足す。
颯馬くん、いつまで私の髪、見てるんだろう。
そう思っていたら
「そっか。Aちゃん、一人じゃないんだ」
ニコッと優しく笑った瞳と視線が合った。
まるで私がいつも教室で一人だと思ってて心配してたみたい。
間違ってないけど。
「私にだって、友達くらい……」