仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
仲里さん、付き合ってくれないかな
お姉ちゃんはよくネタを出すために眠って夢を見ていた。
夢の中で面白いネタを思いつくんだって。
『ねえ、Aちゃん、人にフラれるってどんな気分だと思う?』
私がいま見た夢で覚えているのは、お姉ちゃんが言った、この言葉だけ。
「ここは寝るところではないので、起きてください」
ふわりとした脳に聞こえてくる女性のちょっと怒ったような声。
あー、私、いま……。
「もう少ししたら俺が起こすので、そっとしておいてあげてくれませんか?」
図書館のテーブルに伏せて、何も見えない視界の中で颯馬くんの声が聞こえた。
いつの間にか眠ってしまっていた私を庇ってくれたみたいだ。
図書館スタッフらしい女性の気配が離れていく。
私も寝ようと思って寝たわけではなかった。
そろそろテスト期間だし、勉強するのと小説を書くのを両立しようとすると、睡眠を削らなくてはならない。
どうしても、この時間になると一度眠くなってしまうのだ。
「ん……」
庇ってもらったのを分かっていて、すぐに起きるのもなんだか恥ずかしくて、私は少し顔が横を向くように動いた。まだ起きてません、を装いながら。
髪の毛が邪魔をして、隣に座った颯馬くんからは顔が見えないと思うけど。
そう思ったのに、彼は私の顔にかかった髪を優しく手で梳いて、耳にかけた。
それで、何も言わないで私のことを見ているのが分かる。
じっと私の顔を見て、何を考えているんだろう。
夢の中で面白いネタを思いつくんだって。
『ねえ、Aちゃん、人にフラれるってどんな気分だと思う?』
私がいま見た夢で覚えているのは、お姉ちゃんが言った、この言葉だけ。
「ここは寝るところではないので、起きてください」
ふわりとした脳に聞こえてくる女性のちょっと怒ったような声。
あー、私、いま……。
「もう少ししたら俺が起こすので、そっとしておいてあげてくれませんか?」
図書館のテーブルに伏せて、何も見えない視界の中で颯馬くんの声が聞こえた。
いつの間にか眠ってしまっていた私を庇ってくれたみたいだ。
図書館スタッフらしい女性の気配が離れていく。
私も寝ようと思って寝たわけではなかった。
そろそろテスト期間だし、勉強するのと小説を書くのを両立しようとすると、睡眠を削らなくてはならない。
どうしても、この時間になると一度眠くなってしまうのだ。
「ん……」
庇ってもらったのを分かっていて、すぐに起きるのもなんだか恥ずかしくて、私は少し顔が横を向くように動いた。まだ起きてません、を装いながら。
髪の毛が邪魔をして、隣に座った颯馬くんからは顔が見えないと思うけど。
そう思ったのに、彼は私の顔にかかった髪を優しく手で梳いて、耳にかけた。
それで、何も言わないで私のことを見ているのが分かる。
じっと私の顔を見て、何を考えているんだろう。