仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
◆ ◆ ◆
「これから二週間くらい、Aちゃんに会えない」
作戦を決行しようとした矢先のことだった。
会議をした次の日の放課後、颯馬くんに会ったらそう言われた。
「二週間後の月曜日、またいつもみたいにAちゃんの学校まで行くから」
図書館の隅で優しく微笑む颯馬くん。
一体、その間に何をしてるのか、なんて怖くて聞けない。
知られてしまったら消えてしまう、とか、また言われるかもしれない。
小説を完成させてほしい、って頼んできたのはそっちなのに、私のことなんて、やっぱりどうでもいいんだ、と思ってしまう。
颯馬くんじゃなくたっていいんだ、付き合って、好きになって、フラれる気持ちが分かれば、それで。だから……
「いいよ。私、その間に友達と遊ぶから」
ちょっと意地悪な言い方をする。
颯馬くんじゃなくても大丈夫って、そんな気持ちを込めて。
作戦決行。
「Aちゃんもテスト期間じゃないの?」
気にするのそっちか、と思う。
たしかに間違ってないけど。
「テストの最終日に遊ぶの」
テストが終われば、その日は早く帰れるから、そのまま遊びに行くことになる。
「金曜日か。どこ行くの?」
「内緒」
実はまだ行き先は決まっていない。
間宮くんにまずは友達として遊びに行こうとは言ってあるけど。
「気をつけんだぞ?」
正面に座った颯馬くんが真剣な顔で言う。
ちょっとは気にしてくれてる?
それとも、ただ家族として妹の身を案じてるだけ?
相手が男か女か聞いてこないし。
「分かってるよ」
ふてくされて見えないように、私は下を向きながら言った。
今日から二週間、颯馬くんには会わない。
「これから二週間くらい、Aちゃんに会えない」
作戦を決行しようとした矢先のことだった。
会議をした次の日の放課後、颯馬くんに会ったらそう言われた。
「二週間後の月曜日、またいつもみたいにAちゃんの学校まで行くから」
図書館の隅で優しく微笑む颯馬くん。
一体、その間に何をしてるのか、なんて怖くて聞けない。
知られてしまったら消えてしまう、とか、また言われるかもしれない。
小説を完成させてほしい、って頼んできたのはそっちなのに、私のことなんて、やっぱりどうでもいいんだ、と思ってしまう。
颯馬くんじゃなくたっていいんだ、付き合って、好きになって、フラれる気持ちが分かれば、それで。だから……
「いいよ。私、その間に友達と遊ぶから」
ちょっと意地悪な言い方をする。
颯馬くんじゃなくても大丈夫って、そんな気持ちを込めて。
作戦決行。
「Aちゃんもテスト期間じゃないの?」
気にするのそっちか、と思う。
たしかに間違ってないけど。
「テストの最終日に遊ぶの」
テストが終われば、その日は早く帰れるから、そのまま遊びに行くことになる。
「金曜日か。どこ行くの?」
「内緒」
実はまだ行き先は決まっていない。
間宮くんにまずは友達として遊びに行こうとは言ってあるけど。
「気をつけんだぞ?」
正面に座った颯馬くんが真剣な顔で言う。
ちょっとは気にしてくれてる?
それとも、ただ家族として妹の身を案じてるだけ?
相手が男か女か聞いてこないし。
「分かってるよ」
ふてくされて見えないように、私は下を向きながら言った。
今日から二週間、颯馬くんには会わない。