仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
「ごめんね、覚えてないの。いろいろ抜け落ちてるから」
ぼそりとつぶやくような静かな声が私の頭上から聞こえた。
「そう、なの……?」
「うん」
その答えに正直ほっとした。
いつか決心がついたら教えてほしいけど、お姉ちゃんが思い出すときは来るのかな。
そう思いながらふと顔を上げて、目が合って、気が付いたことがあった。
「お姉ちゃんも泣いてたの?」
よく見たら、別人であるお姉ちゃんの目も泣いたみたいに真っ赤で、頬にはうっすらと涙の跡があった。
きっと、お姉ちゃんも泣いてたんだ。
「あ、ああ、そう、悲しくて……」
気付いてなかったのかな、お姉ちゃんは慌てたように両手で目元に触れようとした。
でも、それは出来なかった。
手に何か分厚いノートを持っていたから。
「それ、なに?」
思わず目で追って、尋ねる。
中身は大体予想がついてるけど、なんでいま持ってるのかなって。
「これ……。そうだ、Aちゃん、お願いがあるんだ」
自分の手に持ったノートを見て、思い出したように彼が言う。
ぼそりとつぶやくような静かな声が私の頭上から聞こえた。
「そう、なの……?」
「うん」
その答えに正直ほっとした。
いつか決心がついたら教えてほしいけど、お姉ちゃんが思い出すときは来るのかな。
そう思いながらふと顔を上げて、目が合って、気が付いたことがあった。
「お姉ちゃんも泣いてたの?」
よく見たら、別人であるお姉ちゃんの目も泣いたみたいに真っ赤で、頬にはうっすらと涙の跡があった。
きっと、お姉ちゃんも泣いてたんだ。
「あ、ああ、そう、悲しくて……」
気付いてなかったのかな、お姉ちゃんは慌てたように両手で目元に触れようとした。
でも、それは出来なかった。
手に何か分厚いノートを持っていたから。
「それ、なに?」
思わず目で追って、尋ねる。
中身は大体予想がついてるけど、なんでいま持ってるのかなって。
「これ……。そうだ、Aちゃん、お願いがあるんだ」
自分の手に持ったノートを見て、思い出したように彼が言う。