仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
デートDay2 悪い青春とか体験してみる?
陽が沈んで、辺りがどんどん暗くなっていく。
私の手を握った颯馬くんは無言で、人混みの中をどんどん進んだ。
まぶしく光るネオン街を抜けて、寂れた商店街に入り込む。
それから、颯馬くんは並んだシャッターの間の道を進んで、一つの廃れたビルの非常階段を上りはじめた。カンカンと音がする。
「ここ、入っていいの?」
誰もいないかチラチラと周りを確認して、私は後ろから問いかけた。
見た感じは誰もいないけど、ここはきっと立ち入り禁止の場所だ。
「土地開発のためとか言って、近いうち、ここ一帯はなくなるらしい。だから、もうここら辺には誰もいないんだ」
階段を上がりながら、颯馬くんはそう答えた。
止まることなく段差を何段も超えていく。
「ここに居る間だけはAちゃんと俺だけの世界になるってことだよ」
どのくらい階段を上がったか、分からなくなった頃、私たちはそのビルの屋上に到着した。
周りにはここより高い建物がなくて、夜空が大きく広がっていた。
それに向こう側にはキラキラと光る街が見える。
私と颯馬くん以外、みんなが消えた世界。
「真っ暗だね」
私はぼそりと呟いた。
この屋上はライトがないから暗い。
「暗いからいいんだ」
颯馬くんがガタガタと何かをやってると思ったら、どこからか水の入ったバケツを持ってきた。
私の手を握った颯馬くんは無言で、人混みの中をどんどん進んだ。
まぶしく光るネオン街を抜けて、寂れた商店街に入り込む。
それから、颯馬くんは並んだシャッターの間の道を進んで、一つの廃れたビルの非常階段を上りはじめた。カンカンと音がする。
「ここ、入っていいの?」
誰もいないかチラチラと周りを確認して、私は後ろから問いかけた。
見た感じは誰もいないけど、ここはきっと立ち入り禁止の場所だ。
「土地開発のためとか言って、近いうち、ここ一帯はなくなるらしい。だから、もうここら辺には誰もいないんだ」
階段を上がりながら、颯馬くんはそう答えた。
止まることなく段差を何段も超えていく。
「ここに居る間だけはAちゃんと俺だけの世界になるってことだよ」
どのくらい階段を上がったか、分からなくなった頃、私たちはそのビルの屋上に到着した。
周りにはここより高い建物がなくて、夜空が大きく広がっていた。
それに向こう側にはキラキラと光る街が見える。
私と颯馬くん以外、みんなが消えた世界。
「真っ暗だね」
私はぼそりと呟いた。
この屋上はライトがないから暗い。
「暗いからいいんだ」
颯馬くんがガタガタと何かをやってると思ったら、どこからか水の入ったバケツを持ってきた。