仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
「綺麗……」
照れ臭くなって視線を手元に移す。
まばゆい火花は大きくなくても綺麗で、楽しくて……。
時間はすぐに過ぎていった。
「本物が見られるといいね」
最後の線香花火に火を灯したとき、私はそう言ってしまった。
消えてほしくないから、小説の完成を先延ばしにする。
そんな汚い考えは持っていないけれど、出来ることなら、もっと一緒に居たい。
「どうかな……」
颯馬くんは静かに答えた。横顔がとても綺麗。
あまりに見つめすぎたのか、ふいに彼が私のほうを見た。
「Aちゃんって、また可愛くなったよな」
ふっと笑う顔に心臓を持っていかれそうになった。
「気付いて……」
思わず、小さな声で言ってしまう。
私がおしゃれをしても、どうでもいいんだと思ってた。
「気付いてたよ。でも俺が素直に反応していいものなのかと思って」
颯馬くん、また儚い笑みを浮かべてる。
お姉ちゃんとしての気持ちと戦ってるのかもしれない。
「あ……」
二人の線香花火がほぼ同時に地面に落ちた。
線香花火もとても儚い。
「私が消えてしまったら、どうする?」
光を失った線香花火を見つめながら私は小さくこぼした。
照れ臭くなって視線を手元に移す。
まばゆい火花は大きくなくても綺麗で、楽しくて……。
時間はすぐに過ぎていった。
「本物が見られるといいね」
最後の線香花火に火を灯したとき、私はそう言ってしまった。
消えてほしくないから、小説の完成を先延ばしにする。
そんな汚い考えは持っていないけれど、出来ることなら、もっと一緒に居たい。
「どうかな……」
颯馬くんは静かに答えた。横顔がとても綺麗。
あまりに見つめすぎたのか、ふいに彼が私のほうを見た。
「Aちゃんって、また可愛くなったよな」
ふっと笑う顔に心臓を持っていかれそうになった。
「気付いて……」
思わず、小さな声で言ってしまう。
私がおしゃれをしても、どうでもいいんだと思ってた。
「気付いてたよ。でも俺が素直に反応していいものなのかと思って」
颯馬くん、また儚い笑みを浮かべてる。
お姉ちゃんとしての気持ちと戦ってるのかもしれない。
「あ……」
二人の線香花火がほぼ同時に地面に落ちた。
線香花火もとても儚い。
「私が消えてしまったら、どうする?」
光を失った線香花火を見つめながら私は小さくこぼした。