仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
「ないです。すみません、私、帰らないといけないので」
テーブルの下に置いたスクールバッグを手に持って、私は立ち上がった。
「そうよね、ご両親が心配されるわよね。何かあったら遠慮なく相談しに来てね」
先生はやわらかい表情を変えることなく、私に言った。
そういうの、やめてほしい。
言葉に出来ないのは、私がビビりだから。
「ありがとうございました」
表だけ感謝の言葉を残して、私は靴箱に向かった。
靴を履き替えて、外に出た瞬間に走り出す。
急いでいるときに限って、こういうことがある。
日が延びたから、まだ外は暗くなっていないけど、もう時間は六時を過ぎていた。
今日は図書館が早く閉まる日だ。
颯馬くんは、まだ図書館にいるだろうか。
私たちは会った日に次に会う日を決めている。
きっと、今日行かなければ、もう会うことは出来ない。
「颯馬くん……」
まだ図書館は見えてこない。走って、息を乱しながら、彼の名前を口にする。
あと少しなのに、運動が得意ではない私は苦しくなって足をゆるめてしまった。
――もう、小説を書くなんて諦めてしまう……?
急に私の耳元で悪い私が囁いた気がした。
テーブルの下に置いたスクールバッグを手に持って、私は立ち上がった。
「そうよね、ご両親が心配されるわよね。何かあったら遠慮なく相談しに来てね」
先生はやわらかい表情を変えることなく、私に言った。
そういうの、やめてほしい。
言葉に出来ないのは、私がビビりだから。
「ありがとうございました」
表だけ感謝の言葉を残して、私は靴箱に向かった。
靴を履き替えて、外に出た瞬間に走り出す。
急いでいるときに限って、こういうことがある。
日が延びたから、まだ外は暗くなっていないけど、もう時間は六時を過ぎていた。
今日は図書館が早く閉まる日だ。
颯馬くんは、まだ図書館にいるだろうか。
私たちは会った日に次に会う日を決めている。
きっと、今日行かなければ、もう会うことは出来ない。
「颯馬くん……」
まだ図書館は見えてこない。走って、息を乱しながら、彼の名前を口にする。
あと少しなのに、運動が得意ではない私は苦しくなって足をゆるめてしまった。
――もう、小説を書くなんて諦めてしまう……?
急に私の耳元で悪い私が囁いた気がした。