仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
これが最後の夏、祭り
夏が来た。夏が来てしまった。
考える時間がほしくて、私は勉強を理由に颯馬くんと会う頻度を減らした。
彼は嫌な顔もしなかったし、ダメとも言わなかった。
あれ以来、死神も現れていないし、現状は安定している。
そう思ったのに、颯馬くんは私と夏祭りに行く約束を結ばせた。
指切りをした小指は変わらず温かくて、消えてしまうなんて思えなかった。
「そんな顔すんな」
その声にハッとなる。隣を歩く颯馬くんの声だ。
夏祭り当日になって、私はオレンジ色の浴衣を着て、同じ色の髪飾りで髪をまとめた。
颯馬くんは灰色の浴衣がとても似合っている。
モデルさんみたいだ。
今日も女の子たちが彼のことを何度も振り返る。
「私、いま、どんな顔してる?」
「この世が終わりそうな顔」
私が静かな声で尋ねると颯馬くんはふっと笑った。
彼が冗談めかすのは私を安心させるためだと思う。
「手、つないでくれる?」
「いいよ」
優しく返事をして颯馬くんは私の手を握った。
心躍るシチュエーションなのに、私の中でドキドキと怖さが戦ってる。
「Aちゃん、なに食べようか?」
ざわめきの中、颯馬くんの声が聞こえた。
煌びやかなお寺の境内を歩いて、色々な出店の横を過ぎていく。
考える時間がほしくて、私は勉強を理由に颯馬くんと会う頻度を減らした。
彼は嫌な顔もしなかったし、ダメとも言わなかった。
あれ以来、死神も現れていないし、現状は安定している。
そう思ったのに、颯馬くんは私と夏祭りに行く約束を結ばせた。
指切りをした小指は変わらず温かくて、消えてしまうなんて思えなかった。
「そんな顔すんな」
その声にハッとなる。隣を歩く颯馬くんの声だ。
夏祭り当日になって、私はオレンジ色の浴衣を着て、同じ色の髪飾りで髪をまとめた。
颯馬くんは灰色の浴衣がとても似合っている。
モデルさんみたいだ。
今日も女の子たちが彼のことを何度も振り返る。
「私、いま、どんな顔してる?」
「この世が終わりそうな顔」
私が静かな声で尋ねると颯馬くんはふっと笑った。
彼が冗談めかすのは私を安心させるためだと思う。
「手、つないでくれる?」
「いいよ」
優しく返事をして颯馬くんは私の手を握った。
心躍るシチュエーションなのに、私の中でドキドキと怖さが戦ってる。
「Aちゃん、なに食べようか?」
ざわめきの中、颯馬くんの声が聞こえた。
煌びやかなお寺の境内を歩いて、色々な出店の横を過ぎていく。