仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
◆ ◆ ◆
仲里は一人でいることが多かったが、実は性格は明るくて、ちょっとめんどうくさがりなだけだった。だから、その性格を前面に出せば、誰とでも仲良くできるはずなのにしていなかっただけ。
俺と付き合って、話し始めた日にはクラスの全員がびっくりしていた。
仲里って、あんなにしゃべるんだ、あんな風に笑うことってあるんだって。
でも、俺はそれを知られるのがなんとなく嫌だった。
自分だけが知っていたかった。
本当に俺は彼女に心を奪われているのだと確信した。
「はい」
放課後、図書館でまた待ち合わせをした日、席につくなり仲里は俺に一冊の本を手渡してきた。
「なにこれ?」
忘れていた俺は本をまじまじと眺めてしまった。
表を見たり、裏を見たり。
「おすすめの本」
仲里のその言葉を聞いて、思い出す。
「持ってきてくれたんだ? サンキュー」
正直、本当に持ってきてくれるとは思っていなかった。
彼女は俺のことに興味はないと思っていたからだ。
すごく嬉しかった。
『君だけが許してくれた僕』
主人公は中三の男で、とある事件から学校の人間全員から悪いやつだって誤解されて、避けられていた。ただ、一人の女のクラスメイトだけは主人公を分かってくれていて、彼女の前だけは許されるんだけど、最後、彼女は病気で亡くなってしまう。主人公は彼女にもらった勇気でこの先を生きていく、という話。
俺は家でこの本を読んで号泣した。
最初は結構ページがあって読み終われるはずなんてないと思っていたのに、気が付いたら、没頭して、読み終わっていた。
何日も何回も読み返しているうちに返すのを忘れるほどに。
仲里は一人でいることが多かったが、実は性格は明るくて、ちょっとめんどうくさがりなだけだった。だから、その性格を前面に出せば、誰とでも仲良くできるはずなのにしていなかっただけ。
俺と付き合って、話し始めた日にはクラスの全員がびっくりしていた。
仲里って、あんなにしゃべるんだ、あんな風に笑うことってあるんだって。
でも、俺はそれを知られるのがなんとなく嫌だった。
自分だけが知っていたかった。
本当に俺は彼女に心を奪われているのだと確信した。
「はい」
放課後、図書館でまた待ち合わせをした日、席につくなり仲里は俺に一冊の本を手渡してきた。
「なにこれ?」
忘れていた俺は本をまじまじと眺めてしまった。
表を見たり、裏を見たり。
「おすすめの本」
仲里のその言葉を聞いて、思い出す。
「持ってきてくれたんだ? サンキュー」
正直、本当に持ってきてくれるとは思っていなかった。
彼女は俺のことに興味はないと思っていたからだ。
すごく嬉しかった。
『君だけが許してくれた僕』
主人公は中三の男で、とある事件から学校の人間全員から悪いやつだって誤解されて、避けられていた。ただ、一人の女のクラスメイトだけは主人公を分かってくれていて、彼女の前だけは許されるんだけど、最後、彼女は病気で亡くなってしまう。主人公は彼女にもらった勇気でこの先を生きていく、という話。
俺は家でこの本を読んで号泣した。
最初は結構ページがあって読み終われるはずなんてないと思っていたのに、気が付いたら、没頭して、読み終わっていた。
何日も何回も読み返しているうちに返すのを忘れるほどに。