仲里鈴音は死んでない✽.。.:*・゚
◆ ◆ ◆
数ヶ月後、とある金曜日、私は放課後にお姉ちゃんの通っていた中学校に来た。
巻いた髪を軽く指先でいじりながら、校門で人を待つ。
約束はしていない。それでも……
「Aちゃん?」
気付いてくれると思ってた。
「中川くん」
もう颯馬くんとは呼ばない。
次に呼ぶときは、私の心が彼を認めたとき。
私と彼は名前は知ってるけど、これが初対面ってことにする。
「はじめまして」
「は、じめまして?」
私の言葉に戸惑った顔をする中川くん。
いまも変わらず顔がいい。
「賞、獲ったよ。佳作だけど」
一方的に賞の結果の載った雑誌とお姉ちゃんの分厚いノートを彼に押しつけて、私は一歩後ろに下がった。そして
「これで終わり、私たちお別れだね。じゃあね」
あっさりとさよならをする。
私は約束を果たした。もう二度と会うことはない。
胸に残ったこの気持ちが変わることはないけど、許されるはずがないんだ。
中川くんはお姉ちゃんのことが好きだったんだから。
それに、きっとお姉ちゃんも……。
数ヶ月後、とある金曜日、私は放課後にお姉ちゃんの通っていた中学校に来た。
巻いた髪を軽く指先でいじりながら、校門で人を待つ。
約束はしていない。それでも……
「Aちゃん?」
気付いてくれると思ってた。
「中川くん」
もう颯馬くんとは呼ばない。
次に呼ぶときは、私の心が彼を認めたとき。
私と彼は名前は知ってるけど、これが初対面ってことにする。
「はじめまして」
「は、じめまして?」
私の言葉に戸惑った顔をする中川くん。
いまも変わらず顔がいい。
「賞、獲ったよ。佳作だけど」
一方的に賞の結果の載った雑誌とお姉ちゃんの分厚いノートを彼に押しつけて、私は一歩後ろに下がった。そして
「これで終わり、私たちお別れだね。じゃあね」
あっさりとさよならをする。
私は約束を果たした。もう二度と会うことはない。
胸に残ったこの気持ちが変わることはないけど、許されるはずがないんだ。
中川くんはお姉ちゃんのことが好きだったんだから。
それに、きっとお姉ちゃんも……。