クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
「大賀美は、悪い奴ではないけど……人の話を聞かなかったり、強引なところがあるから。夏目さんも、嫌なら嫌って言っていいからね。それに俺も、昨日のこと、ちゃんと謝れてなかったけど……夏目さんの気持ちも考えずに勝手に話を進めて、ごめん」
宇佐美くんは、頭を下げて謝ってくれる。
私は、まさか宇佐美くんから謝罪されるなんて思ってなかったから、呆けた顔をして固まってしまった。
「え、っと……昨日のことなら、もう全然気にしてないから。大丈夫だよ」
「……夏目さんが、あいつと話してる姿を見たら、身体が勝手に動いてて……二人きりで遊びに行くのも、止めないとって思った」
「……それは、どうして?」
「それは……俺が、嫌だったから。それに心配だった」
どうやら宇佐美くんは、私のことを心配してくれていたらしい。そして、私が大賀美くんと二人きりで出掛けることを、嫌だと思っていたみたいだ。
――その理由を、聞いてみてもいいだろうか。
どうして最近になって私に話しかけてくれるのか、その理由だって知りたい。
やっぱりまだ怖いけど、逃げないで、宇佐美くんに向き合いたいから。
私は勇気を出して、宇佐美くんに聞いてみることにした。
聞くなら今しかないって思ったから。