クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
――そうだよね。宇佐美くんは、好きな子がいるんだもんね。
それを思い出して、私の胸は激しく痛みだす。何かにギュウッて締め付けられたみたいに、苦しくなる。
そして、昨年まで宇佐美くんに言われ続けていた、冷たい言葉の数々を思い出してしまった。
宇佐美くんが最近私に優しくしてくれるのも、ただの気まぐれで……いつかまた、あの時みたいに、冷たくされることがあるのかな。
もう笑顔を向けてくれることも、なくなってしまうんだろうか。
想像するだけで、胸がもっと痛くなる。ズキズキと悲鳴を上げているのが分かる。
喉の奥の方に、何かが込み上げてくるような感覚。
――何だろう、これ。こんな感情、私は知らない。