クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
「つめたっ! って、蓮見くんかぁ。びっくりしたよ……!」
「あはは、ごめんね」
振り向けば、今日も爽やかオーラ全開の蓮見くんが立っていた。
ひんやりした正体は、蓮見くんが手にしているパックジュースを、私の頬にくっつけたからみたい。
「……あれ? 蓮見くん、部活は?」
「今日は委員会があったから、遅れて参加するんだ。これから向かうところだよ。そしたら、夏目さんの姿を見つけたからさ」
「そうなんだね。部活、頑張ってね」
「うん。夏目さんは、今日はお手伝いにはきてくれないの?」
蓮見くんの問いかけに、ドキリとしてしまう。
だけど、宇佐美くんと顔を合わせるのが気まずいからお休みしただなんて、正直に言うことはできなくて。