クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
「実はさ、俺の母さんの実家がこの近くにあるんだよね。今日は荷物持ちを頼まれて付いてきてたんだ。で、母さんの用が終わるまで時間をつぶしてたんだけど……まさか小夜ちゃんに会えるとは思ってなかったから、驚いちゃったよ」
そう言ってとなりのブランコに座った大賀美くんは、いつの間に買ってきていたのか、飲み物を手渡してくれる。
「はい、どうぞ。小夜ちゃん、りんごジュースは飲める?」
「うん、飲めるよ。ありがとう」
「どういたしまして」
「……大賀美くんって、すっごくモテそうだよね」
見た目がカッコよくておしゃれさんなのはもちろんだけど、話していて楽しいし、こういうさり気ない気遣いをサラッとしちゃうところとか、すごいなって思う。