クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
「……小夜ちゃんに、もう少し早く出会えてたらなぁ」
「え?」
「せめて同じ中学に通えてたらよかったよ。そしたら、こんな風に毎日おしゃべりできただろうしさ」
「……うん、そうだね。私も大賀美くんと話すの、好きだよ。同じ学校だったら、楽しかっただろうな」
はじめの印象は、正直あんまり仲良くなれないタイプの男の子かなって思ってたんだけど……こうして接してみれば、すごく話しやすくて楽しい。
お友だちになれてよかったなって、心から思う。
「ねぇ、小夜ちゃん。もしかしてさ、好きなやつでもできた?」
「……っ、ごほっ」
だけど突然そんな質問をされてしまったから、りんごジュースを飲んでいた私は、驚いてむせてしまった。