クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
「かわいいなんて、初めて言われたけど……夏目さんの方がずっとかわいいよ」
はにかんだ宇佐美くんに頬をそっと撫でられて、今度は私が顔を赤くする番だった。
「あとそれ、さっきから気になってたんだけど……」
宇佐美くんが視線を向ける先は、私の手元。青いリボンでラッピングされた手作りクッキーを、興味深そうに見つめている。
「あ、これはさっき部活で作ったの。夏美ちゃんにあげようかなって思ってたんだけど……」
クッキーを見つめていた宇佐美くんは、今度は何かを訴えるようなまなざしで私を見つめてくる。