クールで人気者の宇佐美くんは、私の前でだけデレが全開になります。
そもそも、どうして大賀美くんがここにいるのかといえば、昨晩、彼の方からメッセージが届いたからだ。
内容は、この前に話していた男子と何か進展はあったかというもので、私は正直に、好きな男の子とお付き合いすることになったことを話した。そうしたら、大賀美くんから“明日会って話したいことがある”って言われたんだよね。
「あれ? 何か後ろに、呼んだ覚えのないやつもいるみたいなんだけど?」
「えっと、これは……」
大賀美くんが視線を向ける先は、私の後ろ。
――黙って後を付いてきた宇佐美くんが、警戒するようなまなざしで大賀美くんを見つめている。
「えっと、ごめんね。これから大賀美くんと会うって言ったら、宇佐美くんも付いていくって……何か大事な話なら、宇佐美くんには待っててもらった方がいいよね」
「ううん、小夜ちゃんが謝ることじゃないから大丈夫だよ。宇佐美が聞いてても問題ないっていうか……むしろ好都合かな」
「好都合?」
「まぁとりあえず、ちょっと場所を変えてもいい?」
大賀美くんの提案に頷いて、ひとまず正門から離れた私たちは、人目を避けながら校舎裏に向かった。
先頭を歩いていた大賀美くんは、足を止めてこちらに振り向く。